
ホワイトペーパーとは、企業のWEBサイト上で掲載されている「お役立ち資料」「Ebook」などと呼ばれる資料のことです。ユーザーの個人情報と引き換えにダウンロードできる仕組みとなっています。皆様も一度は氏名やメールアドレスを入力して資料をダウンロードした経験があるのではないでしょうか。
この記事では、ホワイトペーパーで得られる効果や目的別の活用方法、制作時のポイントをご紹介します。自社の営業・マーケティング活動やコンテンツ企画にお役立てください。
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もくじ
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、あるテーマに関する研究や調査結果、その企業の培ってきたノウハウなど、読者にとって有益な情報を提供するWeb上の資料を指します。
もともとは政府や公的機関が作成する調査報告書=「白書」を意味していましたが、近年は企業のWebマーケティング施策として知られています。このWebサイトに訪れた大半の方も、後者の意図で訪れているのではないでしょうか。企業サイト上で「お役立ち資料」「Ebook」と呼ばれるファイルは、このホワイトペーパーを指します。
ホワイトペーパーに期待できる3つの効果
ホワイトペーパーは顧客に有益な情報を提供し、自社の信頼構築や自社サービスの発展を促進することが目的です。以下3つの効果が期待できます。
①リード獲得
ダウンロード時にメールアドレスなどのユーザーの個人情報を入力する仕組みにした場合、ユーザー情報を獲得できます。要は「情報を渡す代わりに連絡先教えて下さいね」ということです。
ユーザーにマッチしたホワイトペーパーが用意できると、自社を知ってもらうきっかけ作りになり、ダウンロード数が増えます。
ダウンロード数が増える=見込み顧客の母数が増えるため、後の商談数増加に期待ができるでしょう。
②リード育成
ホワイトペーパーは、メールマーケティングなどで添付する資料や、セミナー資料としても活用できます。まだ関係値の浅い顧客に対して、良質な情報を提供することでユーザーとの関係値を構築し受注見込みの高い顧客へと育てていく、いわゆるリード育成(ナーチャリング)にも役立ちます。
③顧客満足度の向上
読者にとって有益な情報を発信し続けることで、信頼構築に繋がります。契約後の顧客においても、例えば最新の調査レポートなどホワイトペーパーは大いに役立つでしょう。また、知識が無く困っている担当者の場合には、それを補完できるノウハウ系の資料を提供できると喜ばれます。
顧客満足度を高めることで自社への信頼が生まれ、受注確度の向上が促進されるでしょう。
▼ホワイトペーパーの効果の上げ方については、下記の記事を参考にしてください。▼
営業資料との違い
「自社を知ってもらうなら、営業資料ではダメなの?」といった疑問が浮かんだ方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、ホワイトペーパーが担う役割は営業資料とは少し違います。
まずホワイトペーパーで情報発信をし、自社を知ってもらうきっかけを作ります。
そして興味を持ってくれた顧客との商談時には営業資料を活用し、顧客化した後には必要に応じて別のホワイトペーパーをプレゼントして育成していく、といったイメージです。
ただし、ホワイトペーパーが「導入事例集」のような場合には商談にも使えることがありますし、顧客がすでに比較検討をしている場合には営業資料がリード獲得に繋がる場合もあります。線引きはあくまで目安ですので、自社と顧客に合わせた情報提供を行いましょう。
ホワイトペーパーの種類【ターゲット別】
ホワイトペーパーにはいくつかの種類があり、ターゲットとするユーザーの属性によって相性の良いものは変わってきます。まずは自社がどの層を狙っていきたいのか、社内で方向性をすりあわせましょう。
大きくは4つの属性に分けられ、それぞれに適したホワイトペーパーがあります。
啓蒙系、フレームワーク系 | |
課題解決、ノウハウ提供 | |
入門ガイド系、調査レポート系、Howto系、用語集、チェックリスト系、実施したセミナーや展示会の資料を転用配布 | |
導入事例系、サービス資料、自社製品/商品紹介 |
課題形成前の層
非認知層は、まずはその会社や担当者が本来抱えている課題やニーズに気づいていない層です。
この層に向けたホワイトペーパーは、①まずは興味を持ってもらうこと②抱えている課題やニーズに気づかせることが必要です。
啓蒙系のホワイトペーパーで興味をひいたり、フレームワーク系で課題解決を促すような資料が適しています。
潜在層
潜在層は、抱えている課題感やニーズに気づいているものの、それの解決方法を知らない層を指します。課題解決を促す資料や、ノウハウ提供資料が最適でしょう。
情報収集層
情報収集層は、抱えている課題感やニーズに気づいており、解決方法を模索中の層になります。
この層は意欲的なユーザーが多く、入門ガイド系、調査レポート系、Howto系、チェックリスト、実施したセミナーや展示会の資料を転用配布など、アプローチできる施策も多くなっています。ターゲットの課題合わせた資料を複数用意するのがオススメです。
比較検討層
比較検討層は、抱えている課題感やニーズに気づいており、かつ、それを解決するサービスや製品の導入を検討している層です。導入事例やサービス資料が契約に繋がる可能性を高めるので、この資料は早い段階で用意するとともに、常にブラッシュアップすると良いでしょう。
▼【ホワイトペーパーの種類】もっと詳細を知りたい方はコチラ▼
目的別:ホワイトペーパーの活用方法
ここでは、ホワイトペーパーの活用方法をご紹介いたします。
リード獲得が目的の場合
リード化する可能性のあるユーザーと自社とのファーストコンタクトにホワイトペーパーを活用したい場合には、以下の方法がオススメです。
配信方法・設置場所
- SEOコンテンツやサービスページにCTA設置
- 他社媒体(メール広告、ポータルサイト等)に掲載
- SNSマーケティング
リード獲得のポイントは、「この情報が欲しい」と思われるような発信を心がけることです。資料ダウンロード時にユーザー情報を記入してもらえればOKですので、この時点では自社を知ってもらう必要性はありません。
基礎知識を得られるものや最新情報を記載したもの、独自性の高い調査系のものなどはユーザーの検討レベル問わずニーズが高いでしょう。
そのまま活用できるツール系も「今すぐに欲しい」というニーズに応えられ相性が良い傾向にあります。弊社の体感値としても、このあたりの分類の新規ダウンロード数が多い印象です。
新規ユーザーが自社の資料一覧を見たときに、見やすい位置に人気資料を置いておくことでアクション確率を上げられます。
ナーチャリングが目的の場合
無事リード情報を獲得した後は、検討段階を引き上げるために、信頼獲得のためのアプローチを行います。リードのセグメントをきちんと切った上で、以下の発信方法がオススメです。
配信方法・設置場所
- メールマーケティングで配信
- セミナー/ウェビナーで配布
メルマガなどを既存リードに送付する際に、該当セグメントが欲しがっていそうなものを送付すれば、自社への興味関心や信頼獲得を促せます。
セグメントの分け方は状況により多岐にわたるので詳しくは割愛しますが、例えば「過去に資料ダウンロードした休眠リード」であれば、自社の発信する情報に興味を抱く可能性があります。最新資料の送付をきっかけに自社への検討段階が上がるかもしれません。
また、セミナー/ウェビナー参加者へのノベルティとしても喜ばれます。「参加してくれたら○○をプレゼントします」とイベント参加者を募る目的でも役立つでしょう。
顧客の満足度向上/ブランディング/PRが目的の場合
リード獲得や育成だけでなく、顧客満足度向上や対外的なブランディングとしてもホワイトペーパーは効果的です。
配信方法・設置場所
- 他社メディアに紹介してもらう
- SNSマーケティング
- 顧客の必要に応じて直接送付
- 展示会で配布
世間的に権威や信用のある第三者から自社資料を紹介してもらうことで、ブランディングや顧客からの信頼度アップを狙えます。
もちろん、自社の顧客が欲している情報ならば個別に送付することで感謝され、関係値向上にも繋がるでしょう。
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ホワイトペーパーの相場感はどのくらい?
ホワイトペーパーの相場を調査したところ、おおよそ1冊(5P~10P)で20~30万円程度の企業が多いようです。しかし、イラストの活用やページ数、インタビューの有無で金額感は前後いたします。
また、調査データを基にホワイトペーパーを作成したい場合は、その調査費用も掛かってきます。外注時の費用相場の詳細を知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
ホワイトペーパーは作りたいけど予算に限りがある・・・という方は、社内で作るというのも一つの手です。次の項目ではホワイトペーパー作成時に意識すべきポイントをお伝えいたします。
これであなたも作成可能!ホワイトペーパー制作のポイント
どのような相手に向けてどのようなアプローチをすればいいか分かったところで、実際にホワイトペーパーを制作する際のコツ・注意点を最後にお伝えします。
課題の抽出
自社がどのような課題を持ち、そのためにどのような対策をとりたいのか。施策の目的を明確にし、担当者内で共有します。
課題の例は以下の通りです。
- リード(営業アプローチ先)を増やしたい
- 既存リードの質を高めたい
- ブランディングをしたい
- インバウンドを強化したい
課題を抽出できたら、「果たして今、ホワイトペーパー作成が適切なのか?」「自社の課題解決に対し必要な施策なのか?」という問いかけをしてみることもポイントです。
この施策は企画~デザインまでコストがかかります。漠然とした理由で進めてしまい結果が出なかった場合、制作にかけた時間や費用、人員リソースのロスが惜しいです。
自社の課題、欲しい結果に対してホワイトペーパーが効果的であるイメージがわいてから施策をスタートさせましょう。
目標設定
冒頭で少し触れましたが、そのホワイトペーパーの目標と着地はどこにあるのか考えておきます。数値的なKPI設定でも良いですし、読後ユーザーにどのような状態になっていて欲しい、という定性的な観点でも問題ありません。
リード獲得が目的の場合には、問い合わせ数など数値的な目標設定をしておくといいでしょう。
誰が作るか決める
目標が決まったら、誰がそのホワイトペーパーを制作するか決めます。
社内に人員が確保できる場合には内製してもいいですし、人手が足りなかったりクリエイターがいない場合には外注するのも良いでしょう。
内製の場合には、リーダーとなり全体を見る人を一人立てておくことで、方針のブレや制作期間がずるずる伸びてしまうことを避けられます。
ターゲットを明確に
そのホワイトペーパーは誰に向けて制作したいのか、先述のユーザー属性を参考に考えてみましょう。できるだけ明確にすると、ターゲットの好みや得たい情報が見えてきます。
ターゲットの見定め方についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
構成を考えておく
ホワイトペーパーでよくある構成は、以下の通りです。
- 表紙
- 目次
- 本題
- 会社概要・問い合わせ先(オファーページ)
3つ目の本題がそのホワイトペーパーのページのほとんどを占めますが、具体的にはどのような内容を記載するかはテーマにより異なります。
例えば、啓蒙系の場合は、そのテーマの課題背景やボトルネック部分、そしてそれをどのように解決できるのかなどを記載し、自社のリード獲得がしたい場合には事例紹介やオファーページに繋げます。
そのホワイトペーパーで与えられる価値、伝えたいことは何かをピックアップした上で検討してみましょう。
外部制作者に依頼する際には、上記の情報を早い段階で伝えるようにします。
ただし、会社概要と問い合わせ先については独立していないパターンが多く、オファーページに記載されていることや、表紙の前後に記載されていることもあります。
デザイン案を決めておく
ホワイトペーパーはクリエイティブな制作物ですので、情報や文字だけでなく、デザインの観点からも方針を練る必要があります。
他社のホワイトペーパーを見てみたり、雑誌を参考にしたり、画像素材サイトを検索するなどして、自社の目指すデザインはどのような物であるか想定しておきましょう。
もし無い場合には、「色味はこのイラストのこの部分、構図はこの資料のこのページ、フォントはこの記事のこの部分のようにしたい」など、部分的にでもイメージを具体化させます。
そうすることで、誰かに依頼する際にもスムーズに方針に沿った制作進行が可能です。
「百聞は一見に如かず」とはよく言ったもので、言葉で100回やり取りするよりも図や資料で一度見せる方が早かったりもします。
それでもどうしてもイメージがわかない場合には、そのホワイトペーパーの目的や伝えたいこと、設置場所やターゲットの人物像、自社のブランディング方針についてなど、できる限り情報を詳細にまとめデザイン担当者に渡します。
この場合はデザイナー任せになってしまうので、担当者の実績・ポートフォリオを確認しておくと安心でしょう。
まとめ
リード獲得はもちろん内容によっては商談時にも役立つホワイトペーパー。
どのような目的のもと、誰に宛てて作り、そしてどう届けるのか、全てが大切です。
解説した内容を参考に、自社が提供できる中で読者にとってプラスになる情報とは何か検討してみてください。
また、どのような企画をしようか検討中の方は、弊社のホワイトペーパー一覧も参考にしてみてくださいね。
この記事の中で理解しにくい点があったり、どのように進めていけば良いか困ったりした際には、お気軽に弊社までご相談下さい。