・オウンドメディアの平均CVRがわかる
・オウンドメディアのCVRを計測する方法がわかる
・自社オウンドメディアにおけるCVRの良し悪しを判断する基準が分かる
・オウンドメディアのCVRが低い原因と、改善方法を知ることができる
オウンドメディアを運営するうえで、「コンバージョン率(CVR)」は成果を測るうえで欠かせない指標です。しかし、「自社オウンドメディアのCVRの良し悪しがわからない」、「CVRの平均相場がわからない」と悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、オウンドメディアのCVRの平均値を紹介しつつ、オウンドメディアのCVRを計測する方法や良し悪しを判断するポイント、改善策や成功事例を解説します。
もくじ
オウンドメディアにおけるCVRとは?
CVR(コンバージョン率)とは、オウンドメディアに訪れたユーザーのうち、資料請求やお問い合わせ、会員登録などの成果に至った割合を指します。
特にBtoBのオウンドメディアにおいては、単にPV数やUU数を稼いでいたとしても、最終的なコンバージョン=成果(資料請求や無料相談、問い合わせなど)につながらなければ意味がありません。そこで重要な指標となるのがCVRです。CVRが高ければ、それだけサイトに訪れているユーザーが自社の製品/サービスに高い興味を持っているということがわかり、オウンドメディアの有効性を示すことができます。
オウンドメディアの平均CVRはどれくらい?
オウンドメディアの平均的なCVRは1~2%と言われています。しかし、業種や商材の特徴によって、平均値は異なります。そこで、自社のオウンドメディアのCVRが高いのか低いのかを判断する際は、自社の業界における平均CVRをしることが重要です。CVRの平均値は、業種や商材によって大きく異なります。たとえばBtoCのECサイトと、BtoB向けのSaaS資料請求では、期待されるCVRの水準が異なります。
一般的に、BtoB領域ではCVR1〜2%でも高評価とされることが多いですが、高単価商品や検討期間の長いサービスではさらに低くなることもあります。まずは同業他社や業界平均と照らし合わせ、現実的な水準を見極めることが不可欠です。
業種ごとの平均CVR
・BtoB:3.04%
・産業サービス系:3.37%
・消費者サービス系:6.64%
・健康・医療系:3.36%
・テクノロジー系:2.92%
参照:WordStream「Average Click-Through Rate in Google Ads by Industry」
オウンドメディアのCVRが低い原因とは?
オウンドメディアのCVRが低い場合、想定される原因としては以下が挙げられます。
・流入ユーザーとコンテンツのミスマッチ
・導線設計や内部リンクに問題がある
・CTAやUI/UXが最適化されていない
・コンテンツの数・質が不足している
流入ユーザーとコンテンツのミスマッチ
検索キーワードに最適化された記事が多くの流入を生んでいても、その記事が自社のターゲットに向けた内容でなければCVRは低下します。
たとえば、マーケティング初学者向けに書いた情報記事で上級者向けのサービスを訴求しても、読者がコンバージョンに進む可能性は低いでしょう。
このように、ユーザーがどのような目的で記事を読んでいるのか、コンテンツがそのニーズに合っているかを常に確認し、ミスマッチを防ぐことが重要です。
導線設計や内部リンクに問題がある
ユーザーが記事を読んだ後、次にどこへ進むべきかが明確でないと、離脱率が高まりCVRは伸びません。記事内での関連リンクの不足、CTAボタンの位置やデザインの不適切さなどが、コンバージョン機会の喪失を招いている可能性があります。
特にCVページへの導線が1クリックで辿り着けない、リンクの存在に気づきにくいといった場合は、早急な改善が必要です。
CTAやUI/UXが最適化されていない
CTAの文言やデザイン、ボタン配置がユーザー心理に合っていない場合、CVRは伸び悩みがちです。また、スマートフォン閲覧時の見づらさ、ページ表示速度の遅さなど、UI/UXのクオリティが不十分な場合も、ユーザーがすぐに離脱しやすくなってしまいます。
訪問者がスムーズにアクションへと進めるよう、UI/UXは定期的にチェックし、ヒートマップやABテストなどを活用して改善していきましょう。
コンテンツの数・質が不足している
オウンドメディアのCVRは、訪問者が「この企業の情報は信頼できる」と感じた時に高まります。そのためには、量だけでなく、質の高いコンテンツを継続して提供することが重要です。
記事の本数が少ない、または内容が浅くユーザーの課題を解決していないと、信頼構築ができずCVにつながりません。検索意図を深掘りし、具体的な解決策を提示するコンテンツを継続的に発信することがCVR改善の第一歩です。
なお、オウンドメディアの効果が出なくなってしまう、運用する意味がなくなってしまうケースについては、以下の記事で個別に解説していますので、自社メディアの見直しを検討している方はぜひあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】オウンドメディアは意味がない?避けたい7つのケースとは
オウンドメディアのCVRを改善するための具体的な施策とは?
続いて本項では、オウンドメディアのCVRを改善するための施策を、以下の項目で解説していきます。
・CTAボタン・導線設計の見直し
・入力フォームの改善
・記事コンテンツの強化
・CVR分析・改善ツールを活用する
CTAボタン・導線設計の見直し
CTAボタンの文言やデザインは、CVRに直結する要素です。単に「資料請求はこちら」ではなく、「〇〇の課題を解決できる資料はこちら」など、読者の悩みやニーズに合わせた訴求に変更することでクリック率が向上します。
また、ボタンの配置も重要です。記事中・記事下・サイドバーなど複数箇所に設置することで見逃しを防げます。クリック導線の自然さと視認性を意識し、定期的に改善しましょう。
入力フォームの改善
フォームの入力項目が多すぎる、使い勝手が悪いといった場合、コンバージョンが発生しづらくなります。不要な項目は省き、ステップフォームやスマホ対応などユーザーフレンドリーな構成にすることで、CVR向上が期待できるでしょう。
特にBtoBでは「会社名・電話番号」の必須入力に抵抗を感じるケースもあるため、段階的な入力を検討するのも有効です。
記事コンテンツの強化
コンバージョンを促すためには、記事そのものの質を高めることが不可欠です。読者の検索意図にしっかり応え、具体的な課題解決や成功事例を提示することで、信頼感を醸成し成果へとつながります。
記事構成に関しても結論ファースト・PREP法の活用・CTA導線の配置などを意識すると、CVに直結する構成が作りやすくなります。また、記事の定期的なリライトや上位表示記事の分析も効果的です。
CVR分析・改善ツールを活用する
GA4やヒートマップ、CVR改善に特化したツールを活用することで、ボトルネックの特定が容易になります。たとえば、どこで離脱しているのか、どのCTAがクリックされているのかなど、ユーザー行動を可視化することで、改善すべき箇所を明確化可能です。
さらにABテストツールを併用することで、UIや文言の最適化を継続的に行えるようになります。
オウンドメディアのCVR改善の成功事例3選
続いて本項では、過去に弊社が支援した中で、オウンドメディアのCVR改善に成功した事例を紹介していきます。
成功事例①:BtoB「決済サービスA社」
まず紹介するのは決済サービスを提供しているA社の事例です。A社ではオウンドメディアに関して、以下の課題を抱えていました。
・集客の広告依存
・アクセスを安定させるためのSEO対策強化
上記課題に対して、弊社が実施した施策は以下の点です。
・SEO対策の初期戦略構築
・特定のキーワードを軸としたクラスター構築
・CTA調整
施策の結果として、オーガニックの流入が施策開始前より3.6倍へと成長、ページ単位のCVRに関しても1%から5%へと増加しました。
成功事例②:BtoB「小売り支援サービスB社」
続いて紹介するのは、小売り支援サービスを展開しているB社を支援した際の事例です。B社が抱えていた課題は以下の通りです。
・フィールドセールスへの依存
・Web活用が不十分
・CV獲得の仕組み化
上記の課題を踏まえて、弊社が実施した対策は次の施策です。
・毎月3記事のコンテンツ制作代行
・CVへ直結するキーワード選定
・CVハードルを避けるためのマイクロコンバージョン設定
施策の結果として、アクセスが支援開始前から6倍に成長し、0件だったCVを毎月10件以上獲得できるようになっています。
成功事例③:BtoB「医療メーカーC社」
最後に紹介するのは、医療メーカーのC社を支援した際の事例です。C社がオウンドメディア運営に関して抱えていた課題は以下となります。
・流入数の減少
・SEO対策を具体的にどう進めればよいか分からない
・サイト改修のコストはかけられない
上記の課題を受け、弊社が実施した施策は以下の通りです。
・CV獲得を優先したキーワード選定
・成果に直結するコンテンツ設計
施策の結果として、アクセスが約6倍に成長し、CV数に関しても1.4倍に成長しています。実施可能な施策の中で改善を実現した成功事例といえるでしょう。
オウンドメディアを適切に活用し、CVRの平均を改善しよう
オウンドメディアの運用目的は、単なる情報発信ではなく「成果につなげること」です。CVRを正しく把握し、業界平均や競合との比較を踏まえ、改善を重ねていくことで、売上やリード獲得に直結する資産に育てることができます。ポイントは、ユーザー視点に立ったコンテンツ設計と、データに基づいた継続的な改善です。自社の戦略に合ったCV設計を行い、オウンドメディアの価値を引き出しましょう。