コンテンツマーケティングでPDCAサイクルを上手に回し成果を上げる方法とは

コンテンツマーケティングとは、読者に価値のあるコンテンツを発信し続け、潜在顧客から顧客化、さらにはファン化まで育成していくマーケティング手法の一つです。
「読者に価値のあるコンテンツ」とは、読者のニーズを満たすもしくはそれ以上のものであり、その種類としてはブログやホワイトペーパー、SNS、動画などさまざま。
コンテンツは一度作れば企業の資産となり、継続的に集客に貢献します。
その効果の大きさから近年ではBtoB・BtoCに限らず多くの企業がコンテンツマーケティングを実践し、ビジネスに寄与しています。

一方で、なかなか成果があがらず課題を感じている企業も少なくありません。
その要因としては戦略の質やリソース、コンテンツ制作力などがありますが、多くの企業ではPDCAサイクルをうまく回せていないことがあります。

コンテンツマーケティングはただコンテンツを作ったら終わりではありません。
配信した後どのような成果が出たのか、なぜ成果につながったのか、あるいはつながらなかったのか分析し改善していく必要があります。
この記事では、これからコンテンツマーケティングを始める、あるいはすでに始めていて成果を上げたいという方に、コンテンツマーケティングにおけるPDCAとはなにか、例を挙げながらご説明します。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルとはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことで、業務や施策を継続して改善していく手法の一つです。

PDCAサイクルを採用するメリットは主に2つあります。
1つ目は、「目標が行動指針が明確になる」こと。KPIを定めることで、目指す指標ができるので、やることとやらないことが明確になります。
2つ目は「改善に必要なことが明確になり検証できる」こと。立てた目標と進捗を見比べることで、何が足りないのかが明確になります。不足している部分を改善し続けていくことで、よりよいものを生み出していくことができます。

このフレームワークは業務改善でよく使われるイメージですが、コンテンツマーケティングにおけるPDCAサイクルはどのように解釈すればいいのでしょうか。

コンテンツマーケティングにおけるPDCAサイクルとは

ここではコンテンツマーケティングにおけるPDCAサイクルとはなにか、それぞれ項目に分けてご説明します。
イメージしやすいように「BtoBサービスをやっている企業が自社サイトでホワイトペーパーのダウンロード数(CV数)を増やしたい」という状況を想定します。

P:計画

計画段階では必ず目標設定をし、追うべきKPIを明確にしましょう。これを決めておかないと、何から検証していいかわからなくなります。目的に応じてKPIを設定していくと良いでしょう。

例えば上記のような場合だと、「自社サイトへの流入数(UU数)」「ホワイトペーパーのダウンロードページへの誘導率」「ホワイトペーパーのダウンロード率(CVR)」と定めることができます。

次に、それぞれのKPIに対して、何をするのかを明確にしていきます。
例えば自社サイトへの流入数を増やすために、

  • サイトの技術的(SSL化やタグの整理など)なSEO対策をする
  • 記事コンテンツの制作数を増やす
  • 流入数の少ない記事をリライトする

などが挙げられます。

上記はほんの一部の例ですが、KPI達成のためにやることを細分化し、自社のリソースと調整しながら優先順位をつけて計画を立てましょう。

コンテンツマーケティング全体の目標設計方法を知りたいというかたは、下記ページからダウンロードください。

追うべき数字を決める!コンテンツマーケティングの目標設定【KPI一覧付き】

D:実行

立てた計画をもとに実行します。

コンテンツマーケティングにおいて、コンテンツの質は非常に重要です。一方で、質に囚われすぎてコンテンツの配信が遅れてしまう、というケースもよく見受けられます。コンテンツマーケティングでは基本的にwebサイト上でコンテンツを配信するため、手直しが可能です。

仮に質に問題があった際は修正ができることを念頭において、スケジュールを立てて計画的に実行するようにしましょう。

C:評価

ここではGoogleが無料で提供しているアクセス解析のツール、Search ConsoleとGoogle Analyticsのデータを見ていきましょう。

はじめにGoogle AnalyticsでKPIとの差分を確認します。見るべきデータは、先程の例でいうと下記の通りです。

指標 見るべきデータ
自社サイトへの流入数(UU数) ユーザー数
ホワイトペーパーのダウンロードページへの誘導率 ダウンロードページの閲覧ユーザー数÷自社サイトへの流入数
ホワイトペーパーのダウンロード率(コンバージョン率・CVR) ダウンロード数÷ダウンロードページの閲覧ユーザー数

KPIと実際の数値に差分があれば、そこを重点的に分析します。例えばコンテンツ数は増やしているのにメディアの流入数が増えない場合は、Search Console上で検索順位やキーワードの検索数に変化がないか確認します。あるいは、Google Analyticsで流入チャネルやページ毎にアクセス数を分析して、どこに課題があるのか仮説を立てていきます。

A:改善

数値分析が終わり、何を改善すればいいか仮説を立てたら施策立案をしていきます。

例えば下記の様なことが考えられるでしょう。

ホワイトペーパーのダウンロードページへの遷移率を高くするために…

  • メディア内でダウンロードページへのCTAの露出を増やす
  • ダウンロードページへのCTAのクティエイティブを変える
  • 記事内でダウンロードページへ遷移を促す

ホワイトペーパーのダウンロード率を高くするために…

  • 概要説明を変更する
  • 表紙のクリエイティブを変える
  • 入力フォームを簡素化する
  • ホワイトペーパーのページ数を増やす

コンテンツマーケティングは検索エンジンや人(読者)を相手にしているので、何をしたら一番効果がでるのか、正直やってみないと分かりません。だからこそ、効果検証が大切なのです。

改善策を出すため一つポイントとしては「読者(ユーザー)の視点になって考えること」です。コンテンツマーケティングは、読者に価値のあるコンテンツを発信し続けるもの。サイトへの訪問者は目的のページに簡単にたどりつけるか、トンマナはターゲットの読者に適しているのか、読者の欲しい情報は載っているか、など読者視点に立つことで改善案が思いつくこともあります。

ここまで終わったら、何を・いつまでに・どのようにやっていくのか計画を立てていきます。
このように、PDCAサイクルを回してより良い運営を目指していきましょう。

PDCAサイクルがうまく回らない2大要因と解決方法

要因1: PDPDの連続になっている

Webマーケティング業務は、他の業務との掛け持ちしている担当の方も少なくありません。すると、検証や改善に時間を取れず、「なんとなく」で運用してしまうケースも。
十分な分析や効果検証ができないと、コンテンツマーケティングの運用は難しいと言えます。

そこで、ツールを使って仕組み化をしましょう。
GAやサーチコンソールで定点観測する項目をあらかじめ決めておきます。レポートの自動化設定をしておけば、決まった期間に見たいデータを確認できるため、必ず設定しておきましょう。

また、コンテンツを作ることが目的となっているとPDPDの連続になる要因となってしまいますので、飽くまでコンテンツ制作は目的を達成するための手法であることを覚えておきましょう。

要因2: 優先順位をうまくつけられていない

コンテンツマーケティングの運用を始めると、あれもやってみたい、これもやってみたい、といろいろな施策に手を出したくなります。

ただし、十分な仮説を立てずに自己満足で施策をしても、結果に繋がらず労力を無駄にしてしまうことも。
手を動かすにもリソースは限られているため、優先順位をつけてやっていきましょう。

例えば1ヵ月に10人しか来訪していないWebサイトでCTA調整を繰り返しても、最終目標のCV数は最大10件までしか増えません。無人島で居酒屋を開業し集客するくらい効率が悪いです。

改善施策を出す前には、必ず下記を押さえておきましょう。

1)設定したKPIを改善する施策以外は手をつけないとルール化する
2)最終的な目標に向けてどのKPI項目を優先して改善するべきか仮説を立てる

まとめ

コンテンツマーケティングも広告と同じで、効果検証が不可欠です。今回解説した内容を念頭においてPDCAを回すことで、数値の改善が見込めるかと思います。ただし、コンテンツマーケティングはSEO要素も含まれるので、改善施策を打ってからすぐに効果のでるものばかりではありません。状況や項目に応じてPDCAのサイクル期間を調整していくのがいいでしょう。

追うべき数字を決める!コンテンツマーケティングの目標設定【KPI一覧付き】

いざコンテンツマーケティングを始めようとなった際、目標が無いと何から始めて良いかがわからず、つくるコンテンツに関して正しい判断ができません。
そして、運用時にも「コンテンツを配信すること」が目的になってしまい、本来あるべき姿に向かっていないというようなことも多々見受けられます。

そうならないためにも、コンテンツマーケティングに対して何を期待するのかを明確にして、その役割を言語化し数字に落とし込む必要があります。

コンテンツマーケティングの役割を決める前に、まずは事業単位で何が課題なのかを洗い出してみましょう。

フォームに必要事項を入力すると資料をダウンロードできます。

瀧 晃一:ウェブ解析士

記事の投稿者: 瀧 晃一:ウェブ解析士

Appmartで営業を担当しています。 コンテンツマーケやSEOを通して、クライアントのお役に立てるよう励んでいます。 出勤前のサウナと出勤後のビールでアイデアを活性化させています。

↑