オウンドメディアとホームページの違いとは?目的・効果・成功事例まで解説

<この記事でわかること>

  • 集客やブランディング目的のオウンドメディアと、企業情報を提供するホームページの役割の違いを理解できる
  • オウンドメディアとホームページの効果的な組み合わせ戦略が学べる
  • 自社に適したWeb施策を選ぶための判断軸が整理できる

 

「オウンドメディアとホームページの違いがわからない」
「オウンドメディアとホームページ、どちらを活用すべきか判断に迷う」
と感じているWebマーケティング担当の方は多いのではないでしょうか。

オウンドメディアは集客や情報発信を目的とした「動的」なメディアです。一方、ホームページは企業情報を伝える「静的」なサイトになります。
オウンドメディアとホームページ、両者はWebサイトという点では共通していますが、その役割や運用目的、効果には明確な違いがあることをご存じでしょうか。特に、WebマーケティングやSEO対策を重視する企業にとっては、両者の違いを理解し、適切に使い分けることが集客や問い合わせに直結します。

本記事では、オウンドメディア運営支援を数多く手がけるAppmartが、オウンドメディアとホームページの目的別の活用法や効果、成功事例までわかりやすく解説します。Web戦略の方針を明確にするためにも、ぜひご一読ください。

オウンドメディアとホームページの違いとそれぞれの目的・役割とは?

検索する人

オウンドメディアとは、ノウハウ記事や導入事例などのコンテンツから潜在顧客との接点を創出し、信頼関係を築くための「情報発信型の資産」のことです。
一方、ホームページ(コーポレートサイトや公式サイト)とは、企業の基本情報を提供し、信頼性を高めるための「公式な情報提供の場」といえます。

オウンドメディアは、企業が自社で保有・運営するメディアであり、主に以下の目的で活用されます。

<オウンドメディアの活用目的>

  • 集客:検索エンジンを通じて潜在顧客を呼び込む
  • ブランディング:企業の専門性や価値観を伝え、認知度を向上させる
  • リード獲得:見込み顧客の情報を取得し、営業活動につなげる

一方、ホームページは、企業の公式な情報を提供する場として、以下の役割を担います。

<ホームページの活用目的>

  • 企業情報の提供:会社概要、沿革、理念などを掲載する
  • 製品・サービスの紹介:商品やサービスの詳細情報を提供する
  • 問い合わせ窓口:顧客からの問い合わせや資料請求を受け付ける

このように、オウンドメディアとホームページはそれぞれ異なる目的と役割を持つため、企業のマーケティング戦略において両者を適切に使い分けることが重要です。
オウンドメディアについて、詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

【関連記事】【事例つき】オウンドメディアの意味や目的をわかりやすく解説

オウンドメディアとホームページ、5つの違いを表で比較

オウンドメディアとホームページは、企業が保有するWebサイトという点では共通しています。一方で、目的、ターゲット、コンテンツ、更新頻度、SEO効果の5つの観点で明確な違いがあります。

オウンドメディア ホームページ
目的 潜在顧客との接点創出、ブランド認知の向上、リード獲得 企業情報の提供、信頼性の訴求、問い合わせ対応
ターゲット 潜在顧客、情報収集段階のユーザー 既存顧客、取引先、求職者、株主など
コンテンツ ノウハウ記事、業界トレンド、導入事例、Q&Aなど 会社概要、製品・サービス紹介、採用情報、お知らせなど
更新頻度 高(週1〜月数回) 低(年数回〜不定期)
SEO効果 高(検索流入の増加が期待できる) 限定的(主に指名検索向け)

このように、オウンドメディアは「動的な情報発信の場」、ホームページは「静的な公式情報の拠点」という明確な棲み分けをすることで、ターゲットごとの情報ニーズに柔軟に対応可能です。

オウンドメディアとホームページ、それぞれのメリット・デメリット

オウンドメディアとホームページには、それぞれに強みと弱みが存在します。

  • オウンドメディアのメリット
  • オウンドメディアのデメリット
  • ホームページのメリット
  • ホームページのデメリット

ここでは、具体的なメリット・デメリットを詳しく説明します。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアは、自社が所有・運営するメディアであり、長期的な資産として活用できます。これにより、広告費を抑えつつ、潜在顧客へのアプローチやブランディングをすることが可能です。

オウンドメディアは、企業が自らの情報を自由に発信できるため、コンテンツマーケティングの中心的な役割を果たします。また、SEO対策を施したコンテンツは、検索エンジンからの流入を促進し、見込み顧客の獲得につながるのも特徴です。さらに、広告費用を抑えながら、ブランド認知度の向上やリード獲得も期待できます。

例えば、オウンドメディアを通じて業界の最新情報やノウハウを発信すれば、検索エンジンからの流入が増加し、問い合わせや資料請求が増える可能性があります。また、採用情報の掲載により、求職者へのアプローチにもなるでしょう。
オウンドメディアの運用は、単なるSEO施策を超えて、企業のブランドメッセージや価値観を社会に浸透させる手段となります。

オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアの運営には、時間とリソースが必要であり、成果が出るまでに時間がかかるのがデメリットです。
オウンドメディアは、コンテンツ制作やサイト運営において、専門的な知識や継続的な更新が求められます。また、SEO対策を施したコンテンツでも、検索エンジンでの上位表示には時間がかかるため、短期的な成果を期待するのは難しいことを知っておきましょう。

たとえば、オウンドメディアを立ち上げたものの、運用体制が整っていない場合、コンテンツ更新が滞ったとします。すると、検索順位が上がらず、集客効果が得られない結果になりかねません。
オウンドメディアの運営には、戦略的な計画と継続的な努力が必要です。短期的な成果を求める場合は、他の施策との併用が望ましいでしょう。

ホームページのメリット

ホームページは、企業の公式情報を提供する場として、信頼性の向上や顧客への情報提供に効果的です。
企業名での検索時に上位表示されやすく、信頼性の証明として機能します。
また、ホームページは企業ブランディングの基盤としても機能します。名刺や営業資料と連携すれば、対外的な企業イメージを統一・強化できる点もメリットです。

ホームページのデメリット

ホームページは、情報提供が中心であり、新規顧客の獲得やブランディングには限界がある点がデメリットです。
ホームページには会社概要、商品・サービスの紹介ページといった静的なコンテンツが多く、検索エンジンからの流入を増やすのは容易ではありません。潜在顧客へのアプローチやブランド認知度の向上には、コンテンツマーケティングなどの施策が必要です。

例えば、ホームページしか持っていなかった企業がオウンドメディアを立ち上げてコンテンツ発信を始めた結果、検索流入や問い合わせが増加する可能性があります。
ホームページは企業情報の提供には適していますが、新規顧客の獲得やブランディングを目指す場合は、オウンドメディアとの併用が効果的です。

【関連記事】オウンドメディアにはどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します!

オウンドメディアとホームページどちらを採用すべき?

検索窓

自社の目的に応じて、「見込み顧客への継続的な情報発信」を狙うオウンドメディアか、「信頼性を伝える公式窓口」としてのホームページを選ぶかを決めましょう。それぞれおすすめのケースを紹介します。

【オウンドメディアはこんな場合におすすめ】

  • 潜在顧客や見込み顧客との信頼関係を構築したい
  • 検索エンジンからの自然流入(SEO)を増やしたい
  • リード獲得やホワイトペーパーのダウンロードを促進したい
  • ブランディングを中長期的に強化したい
  • 広告費を抑えながらマーケティング効果を高めたい

【ホームページはこんな場合におすすめ】

  • 会社概要、沿革、製品情報などの基本情報を正確に伝えたい
  • 採用情報や問い合わせ窓口などの機能を集約したい
  • 名刺や営業資料に記載する公式なWebサイトが必要

オウンドメディアとホームページを戦略的に連携させれば、自社サイトが資産型のマーケティング基盤として機能します。そのため、必要に応じて、両者の併用や段階的な導入も検討してみてはいかがでしょうか。
両者の違いを踏まえたうえで、ここからは、よりマーケティング効果を高めやすいオウンドメディアについて深堀していきます。

オウンドメディアの3つの種類(ブログ型・サービス型・採用型)とは?

オウンドメディアには「ブログ型」「サービス訴求型」「採用型」の3つの代表的なタイプがあります。それぞれ目的やターゲットが異なるため、企業の課題や戦略に応じて使い分けるのがポイントです。
以下に3つのタイプそれぞれの特徴と活用目的を紹介します。

種類 特徴と目的 代表的な活用内容
ブログ型 SEO対策、リード獲得 ノウハウ記事、業界情報、コラムなどで検索流入を増加させ、見込み顧客の獲得を目指す
サービス訴求型 自社サービスへの理解促進、資料請求・問い合わせ導線の構築 製品紹介、機能解説、導入事例など、課題解決に直結する情報を中心に発信
採用型 採用ブランディング、応募者増加 社員インタビュー、職場紹介、企業理念発信で求職者とのマッチ度を高め、採用活動を強化

オウンドメディアは「目的に応じて種類を選び、成果に直結させること」が何よりも重要です。どれも単なる情報発信ではなく、戦略的にユーザーの課題に応える“信頼のメディア”として設計しましょう。

【関連記事】【2025年版】採用オウンドメディアとは?成功事例・メリット・運用方法まで徹底解説

オウンドメディアで成果を出すためのコンテンツ例7選

オウンドメディアで重要なのは、ユーザーの課題やニーズに寄り添った情報を提供しながら、信頼を積み重ねることです。目的に合致したコンテンツを継続的に発信すれば、検索流入やコンバージョンの増加にもつながります。
以下に、オウンドメディアで効果的に活用されるコンテンツ例と、それぞれの目的・特徴をまとめました。

コンテンツの種類 目的 具体例
ブログ記事 SEO対策、情報提供 業界の最新トレンドや自社製品の活用方法を紹介する記事
ターゲット 潜在顧客、情報収集段階のユーザー 既存顧客、取引先、求職者、株主など
導入事例・成功事例 信頼性の向上、見込み顧客の獲得 顧客インタビュー、導入プロセスと成果の紹介記事
ホワイトペーパー リード獲得、専門性のアピール メール登録でダウンロード可能な業界課題の分析レポート
メールマガジン 顧客との関係維持、再訪促進 定期的なお役立ち情報やキャンペーン告知
動画コンテンツ 商品・サービスの理解促進、エンゲージメント向上 デモンストレーション動画、社員インタビュー
ウェビナー・オンラインセミナー 教育、リード獲得 プロによる専門テーマの講座やQ&Aセッション
SNS連動投稿 認知度向上、コミュニケーション促進 最新記事のシェア、読者とのコメント交流

オウンドメディアのコンテンツは、単なる情報提供にとどまらず、ユーザーとの対話を生む仕組みとして活用するのがポイントです。企業の信頼構築とマーケティング基盤を支える戦略的コンテンツ基盤としてオウンドメディアを運用すべきでしょう。

【種類別】企業のオウンドメディア成功事例3選

企業のオウンドメディア成功事例をタイプごとに3つご紹介します。

  • 【ブログ型事例】LIGブログ
  • 【サービス訴求型事例】SATORI丨導入事例
  • 【採用型事例】マクドナルド

各事例の特徴やコンテンツを通じて、オウンドメディアの効果的な運用方法を学び、自社の戦略に活かしていただければと思います。

【ブログ型事例】LIGブログ

【ブログ型事例】LIGブログ

参照:LIGブログ

LIGブログは、株式会社LIGの公式ブログ型オウンドメディアです。毎月500万PVを誇り、ブログ型オウンドメディアとして有名です。Web業界に関わる方なら目にしたことのある場合も多いのではないでしょうか。

  • 幅広い記事内容と情報発信
    記事では「Webデザイナーのキャリアパス」「PHPStanの導入と使い方」といった専門的な技術解説や、教育事業の成長戦略を紹介しています。加えて、「LIG社員が選ぶベストバイ」のような社員の個人的な紹介記事まで、多岐にわたるテーマを扱っているのが特徴です。これにより、読者は様々な側面からLIGの活動を知れます。
  • 組織文化や働き方を伝えるコンテンツ
    「僕には好きな社員がいます。」 といった社員の人間性や関係性を垣間見せる記事や、「【LIG NEWS】過去最高の業績!全員大集合のFY19下期キックオフ開催しました」 のような社内イベントのレポートを通じて、LIGの文化や社内の雰囲気を伝えています。
  • 専門家による執筆と多様なトピック
    各記事には執筆者の名前が明記されており、それぞれの専門性に基づいたコンテンツが提供されている点も特徴です。コンテンツはWeb制作、デザイン、テクノロジー、AI、SEO対策、アプリ開発、システム開発など、LIGの事業領域に関連する専門的なトピックを幅広くカバーしています。

【サービス訴求型事例】SATORI

【サービス訴求型事例】SATORI

参照:SATORI

マーケティングオートメーションツールを提供するSATORIのオウンドメディアでは、自社製品であるSATORIの機能や導入効果を具体的に紹介しています。潜在顧客がサービスの導入検討時に必要な情報を網羅的に提供することで、リード獲得や商談化につなげることを目的としたサービス訴求型のオウンドメディアです。

  • 「SATORI」という製品そのものに焦点を当てた情報発信
    メディアの主要項目としてサービス内容を直接説明するセクションが設けられています。ここでは、「見込み顧客を獲得する」「見込み顧客を育成する」「見込み顧客を管理する」といった、SATORIが提供する具体的なソリューションやメリットを前面に押し出しています。
  • 豊富な導入事例による効果の裏付け
    「導入事例」セクションが非常に充実しており、様々な業種の企業がSATORIをどのように活用したかが詳しく紹介されています。
  • 見込み顧客の検討段階に応じた導線
    ユーザーの疑問に応える項目から、「無料セミナー申込み」「お問い合わせ」といった具体的な次のアクションにつながる明確な導線が設置されています。見込み顧客の獲得に直接貢献する設計になっているのが特徴です。

【採用型事例】マクドナルド

【採用型事例】マクドナルド

参照:マクドナルド

世界的に展開するファーストフードチェーン・マクドナルドは、潜在的なアルバイト・パート従業員の採用に特化したオウンドメディアを運営しています。このサイトでは、マクドナルドで働くことの魅力(柔軟な働き方、手厚いサポート、充実した福利厚生、成長機会など)を具体的に伝え、応募へとつなげるための導線が設けられているのがポイントです。

  • 働き方の多様性と安心感の提供
    「接客が得意なクルーも黙々とフードを作るクルーもマクドナルドに欠かせない存在。あなたにピッタリの働き方がここにあります」という文言を掲載し、様々な個性や働き方を受け入れる職場環境であることを伝えています。
  • 具体的な福利厚生や成長機会、キャリアパスを紹介
    従業員割引や独自の教育システム、表彰制度がある点を伝え、働きがいや自己成長が期待できることを示しています。
  • 応募への明確な導線と手軽さ
    メディア内に「店舗を探して応募する」「初めて応募する方へ」といった項目を設け、応募検討者がスムーズに情報にアクセスし、行動に移せるよう工夫されています。
    さらに、履歴書のPDFダウンロードを提供しており、応募の手間を軽減している点も特徴です。

オウンドメディアのそのほかの事例は、以下記事でもご覧いただけます。

【関連記事】オウンドメディア運用で参考にしたい事例9選

また、弊社Appmartでも、ブログ型オウンドメディアとして「Appmartブログ」を運営しています。
Appmartの強みである「SEO、オウンドメディア、コンテンツマーケティング、ホワイトペーパー」に関わるお役立ち記事を更新していますので、ぜひご覧ください。

【関連記事】Appmartブログ

オウンドメディア導入の流れと運用のポイント

オウンドメディアを成功させるには、戦略設計から運用体制の構築、コンテンツ制作、効果測定まで一貫したプロセス設計が欠かせません。
なぜなら、オウンドメディアは企業のマーケティング活動の「資産」として中長期的に成果を生み出すものであり、表面的な記事更新だけでは目的達成につながらないからです。目的設定やターゲットの明確化、KPI設計などを通じて、PDCAを意識した戦略的な運用が求められます。
オウンドメディア導入の主な流れは以下のとおりです。

  1. 目的設定
  2. ターゲット設計
  3. コンセプト・戦略設計
  4. サイト構築・デザイン
  5. コンテンツ制作
  6. 効果測定と改善

オウンドメディアの導入と運用は、「始めること」がゴールではなく、「継続し、成果を積み上げていくこと」が真の目的です。短期的な施策に左右されず、資産型メディアとして“育てる”姿勢が、継続的な集客や問い合わせにつながります。

オウンドメディアの集客をアップさせる方法について、詳しくは以下の記事でも解説しています。

【関連記事】オウンドメディアの集客方法とは?重要なポイントを解説します

オウンドメディアとホームページの違いを理解し、自社に合ったWeb施策を選ぼう

オウンドメディアとホームページは、それぞれ異なる「役割」と「目的」を持ち、企業のマーケティング施策において補完的に機能するのが特徴です。
信頼性や基本情報の提示に特化したホームページに対し、オウンドメディアは顧客との関係構築やSEOによる集客、ブランディングに強みがあります。

両者を適切に使い分け、組み合わせることで、自社サイトの価値を最大限に引き出せます。その結果、長期的な成果を生み出すマーケティング戦略が実現できるでしょう。

オウンドメディアの立ち上げや運用に悩んでいるなら、オウンドメディア制作・Webマーケティングの実績とノウハウを兼ね備えた株式会社Appmartへぜひご相談ください。

弊社のオウンドメディア制作では、採用・サービス訴求・集客など、多様な目的に応じた戦略設計から、SEOに強い記事制作、運用支援までワンストップでご支援します。
単なるサイト制作ではなく、成果につながる“資産型メディア”を一緒に育てましょう。

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松野裕子

記事の投稿者: 松野裕子

AppmartコンテンツマーケティングGの松野です。コンテンツマーケティングやSEO、SNSを通して、成果につながるWebマーケティングに励んでいます。趣味は読書・映画です。

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