BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーを活用したコンテンツマーケティングは、リードの獲得や育成という点で非常に重要な役割を担うようになってきました。
その中でも質の高いホワイトペーパーを保有することは、ホットリード化するうえで必要不可欠になってきています。
マーケティング担当者の中には、日々新規作成と改善を重ねて試行錯誤しているものかと思いますが、満足のいく成果はでていますでしょうか?
もし成果が芳しくなかったり、読者や社内から良い評価を得られていない場合は、実際に弊社が作成する際に意識している「BtoB向けのホワイトペーパーを作成する際のポイント」をぜひご一読ください。ホワイトペーパー制作の事例も交えながら解説していきます。
- 質の高いホワイトペーパーの定義
- ホワイトペーパーの質を高める方法
- 弊社の作成事例
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もくじ
そもそも「質の高いホワイトペーパー」とは何か
質の高さという定義は各々で異なるかと思いますが、この記事では「読者の心を掴めるコンテンツ」とします。
この「心を掴む」というのをより具体的に言語化すると、「課題を持つ読者がホワイトペーパーを読み終わった後、その課題の原因と解決方法が可視化され、解決するイメージができる状態」の事を指しています。
この状態にもっていくには以下のポイントを意識して、情報をコントロールしていくことが重要です。
ホワイトペーパーの作成で意識したいこと
- 自分事化してもらうこと
- 共感を得ること
- 主張に一貫性を持たせること
いかがでしょうか。この状態であれば、サービスの導入を検討してくれると思いませんか?
この後の章では、上記のような体験を与えられるホワイトペーパーを作るために、最も重要なストーリー構成について伝えていきます。
既に作成しているホワイトペーパーの改善にも役立つ内容になっているので参考にしてみてください。
ホワイトペーパーの概要について知りたい方は以下の記事を確認してみてください。
▼ホワイトペーパーとは
参考記事:ホワイトペーパーとは何かを徹底解説
ホワイトペーパーのストーリー構成の組み方と考え方
目的によって様々な構成のホワイトペーパーが存在しますが、今回は一番オーソドックスな「課題解決」をテーマに、それぞれどういったことに気を付けて構成を考えたら良いのか詳しく解説していきます。
課題解決のホワイトペーパーは、上記画像の通り「1.課題定義⇒2.課題の要因⇒3.解決方法⇒4.自社サービスの紹介」の4ステップを大枠として作成することが基本です。
ステップ1:課題定義
「課題解決」のステップで重要なポイントは、読者が抱える課題を出来る限り具体化することです。
ホワイトペーパーの質は、このステップで読者の悩みをピンポイントにつけるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
読者が置かれている状況まで理解した課題から入ることで、読者はより自分事にしやすく、その後の解決策やサービスの有用性に対する説得力が増します。
また、政府が発表している統計データや、課題に関する独自調査を行ってまとめたデータなどを使って訴求するのも効果的な方法です。業界全体でこういう課題があるという見せ方をすることで、課題解決に対する意識が強まるだけでなく、数字による客観的な根拠でホワイトペーパーの説得力が増します。
ステップ2:課題の要因
「課題の要因」のステップでは、定義付けた課題に対する直接的な原因だけでなく、根本的な原因まで落とし込んで訴求することが重要です。
例えば、以下表のような課題を抱えた読者が居たとします。
課題 | リード獲得ができていない |
---|---|
直接的な原因 | 対面営業が出来なくなった Webマーケティングが必要と感じているが、忙しく注力できていない |
根本的な原因 | Webマーケティングに知見のある人材がいない Webマーケティングに割くリソースが不足している |
この場合は、直接的な原因である対面営業の減少やWebマーケティングに注力できていないことを訴求するのではなく、Webマーケティングの知識不足やリソース状況といったところまで踏み込む方が読者は共感してくれます。
このように、読者が抱える課題の根本的な原因まで探ることで、内容が具体的になり、このホワイトペーパーは自分たちに向けた資料だという意識が生まれます。
ステップ3:解決方法
「解決方法」のステップは、全ステップの中で最も説得力が求められるページであり、説得力を出すのが最も難しいページでもあります。
なぜならステップ2までは、読者が抱える課題とその原因といった読者の現在について伝えています。そのため読者はイメージがしやすいのです。
しかし解決方法のステップでは、課題に悩んでいる読者に対して、まだイメージが出来ていない課題の解決方法を伝えて、目指すべき未来(解決するビジョン)をイメージしてもらう必要があるからです。
説得力を高めるコツ
説得力を高めるコツとしては、前述した課題や直接的な原因と根本的な原因から解決方法が導き出されているという、現在から未来への流れを具体的に説明することです。
読者の現在 | Webマーケティングに知見のある人材がいない Webマーケティングに割くリソースが不足している |
---|---|
解決方法 | 外部コンサル企業へ依頼する |
読者の未来 | 外部リソースを確保した上で知見のあるプロをアサインすることで、 自社の負担を軽減してwebマーケティングに注力できる |
このように現在の課題から未来の解決への流れを分かりやすく説明することで、読者は解決のイメージを具体的に持つことが出来ます。
注意点としては、ステップ1~3までの繋がりに無理が生じると主張の一貫性が損なわれ、読者は違和感を感じて離脱してしまう可能性があります。
そのため、各ステップの内容が自然と繋がるよう、随時訴求ポイントを見直して調整しましょう。
ステップ4:自社サービスの紹介
「自社サービスの紹介」のステップは、解決方法に対してどういった点で自社サービスが優れているのかを訴求すると良いでしょう。
オファーを行うにあたって、自社サービスの導入でどの程度楽が出来るのか、簡単になるのかなど、具体的にどういった点が良いのかを説明すると効果的です。
また、ホワイトペーパーを読んでいる段階は、まだ製品やサービスに対してモチベーションが高くないので、サービス紹介ページは細かく説明するよりも、要点をしぼったり箇条書きで説明したりすると売り感が少なく読者からの好感を得やすいです。
ホワイトペーパーの作り方に関しては以下記事でも解説しておりますので、参考にしてみてください。
▼ホワイトペーパーの作り方
「ホワイトペーパー」の作り方を解説
BtoBで成果を出すホワイトペーパーを作る際に意識したい2つのポイント
ここからは、BtoB向けのホワイトペーパーを作る際、意識したいポイントを解説していきます。
中でも重要度の高い2つを厳選してお伝えするので、今あるホワイトペーパーを改善したい・今後新規で作成しようと思っている方は参考にしてみてください。
読者の目的ではなく、置かれている状況まで理解する
課題定義の項目でもお伝えしたように、ホワイトペーパーの質は読者の悩みをピンポイントにつけるかどうかにかかっています。
読者の悩みというのは、突然改善すべき点として出てくるのではなく、置かれている状況によって形成されるものばかりです。
そのため、叶えたい目的だけでなく、改善できていない・改善しなければいけない状況といった背景まで理解して訴求することで、ホワイトペーパーに対して共感や同意が生まれて自分事化しやすくなります。
読者1人に向けて書く
ホワイトペーパーを作成する目的によって異なりますが、商談化や契約といった目的を果たすためには、1人の読者に向けて伝えるイメージで作成しましょう。
決して多くの読者に訴求することが悪いわけではないのですが、多くの読者に訴求すると多くの読者にアプローチできるというメリットがある反面、課題が抽象的になって訴求力が弱くなりがちです。この状態になるとリード化を果たせたとしても商談に繋がりづらいホワイトペーパーになってしまいます。
とはいえ、マーケティング担当としては多くの読者にアプローチしたいですよね。そういった場合のオススメの方法としては、読者1人に対して作成したホワイトペーパーを複数用意することです。
時間と手間が掛かってしまいますが、この方法であればホワイトペーパーの質を担保しつつアプローチできる読者層を広げていくことが出来ます。
弊社のホワイトペーパー作成事例を解説!
ここからは弊社で作成したホワイトペーパー「コンテンツSEO上位化のカギは検索意図にあり!」の事例を基に、制作に至った背景や構成について紹介していきます。
このホワイトペーパーを作成した経緯
弊社がコンテンツマーケティングのサポート事業を行う中で、最も寄せられる声が「自社の記事を上位化したい」というコンテンツSEOに関するご相談です。
検索結果で上位化ができれば、コンテンツマーケティングの成功に大きく近づくため、SEOに悩む担当者や企業が多いことも頷けます。
そういったご相談を頂く中で、そもそも検索エンジンの仕組みやどんな記事が上位化しやすいのかといったSEOの基礎から伝えることでAppmartのサイトに訪れるユーザーのためになるのではないかと思い、このホワイトペーパーを作成することにしました。
実際にこのホワイトペーパーを見て頂いた方が分かりやすいかと思いますので、気になる方は以下URLからダウンロードしてみてください。
構成の要素/ペルソナの背景
このホワイトペーパーの構成は、大きく2つに分かれています。
冒頭では、コンテンツSEO上位化の条件として、検索エンジンの仕組みから検索意図の重要性を伝えています。
ここでコンテンツSEOの大枠を掴んでもらい、検索意図を知る方法を紹介しています。簡単にではありますが、ここまで読めばコンテンツSEOで重要な検索意図については大方理解できる作りになっています。
次に、実際にコンテンツSEO施策で成功した企業の事例です。
ただ事例を伝えるのではなく、各社の課題感から対策キーワード、具体的な施策の内容や行ったことまで細かくまとめ、読者に成功のイメージを行いやすいよう工夫しています。
BtoBマーケティングでのホワイトペーパー事例
BtoBマーケティングでの活用方法は幅広く、サービス資料や導入事例集だけではなく各ターゲットの課題毎に作成しているケースや、多くのターゲットにリーチできるようテンプレート形式のものなどさまざまです。
各社コーポレートサイトやサービスサイトなどのWebサイト内に「お役立ち資料」として一覧ページを用意しているのが一般的です。
エムオーテックス株式会社(情報セキュリティ系)
エムオーテックス社が提供している「LANSCOPE」というサービスサイトの中に、お役立ち情報としてホワイトペーパーを掲載しています。
情報セキュリティ関連のコラムからも、適したホワイトペーパーへ遷移導線を設けておりリード獲得の効率化を図っている模様です。
パーソルキャリア株式会社(人材系)
d’s JOURNALというオウンドメディア内で人事採用担当者向けに、HR関連のトレンド情報や、人事労務の法律関連の情報、人材育成やマネジメントに関するTipsから、書類のテンプレートまでさまざま用意しています。
カテゴリごとに区分けされているため、目的に合わせて探しやすいのが特徴です。
GMOリサーチ株式会社(マーケティング系)
GMOAskという市場調査を提供しており、サービスサイトの中でさまざまなホワイトペーパーを配信しています。
マーケティングや市場調査に関するノウハウ集、調査を行う際に便利な設問テンプレートなどもあり、顕在層だけでなく潜在層向けのホワイトペーパーも掲載しています。
まとめ
ここまで、BtoBにおけるホワイトペーパーの質の定義とその質を高める方法、自社の制作事例をご紹介しました。ホワイトペーパーはいくつかのパターンに分かれるものの、企業のサービスやユーザーの悩みに応じて最適な伝え方や見せ方が異なります。
見込み顧客の獲得や育成を行うのか、顧客に対するロイヤルティ向上を行うのか、目的を明確にしたうえでホワイトペーパー施策を進めていただければと思います。
今回ご紹介した事例の他にも、企業様からご依頼いただいた制作実績がありますので、気になる方やホワイトペーパーの制作についてお悩みの方はぜひ一度弊社にご連絡ください。