オウンドメディアを立ち上げるために必要なものは何かと言われると、「SEO対策」の知識と答える方は多いかと思います。
しかし、実際には「SEO対策」以外にも「戦略」を考えるための「Webマーケティング」の知識や、オウンドメディア立ち上げを成功に導くための「コンセプト設計」などさまざまな知識やノウハウが必要になります。
そこで、この記事ではオウンドメディア立ち上げにあたって必要なものは何か?ということからオウンドメディア立ち上げの手順まで解説をしていきます。
この記事でわかること
- オウンドメディアの立ち上げ方
- オウンドメディアにかかる費用
もくじ
SEOの知識だけではオウンドメディア立ち上げはうまくいかない?
前述した通り、オウンドメディア立ち上げには「SEO」の知識では足りません。
ここでは、なぜ「SEO」の知識だけでは立ち上げがうまくいかないのかを解説していきます。
なぜSEOの知識だけでは足りないのか?
SEOとは「集客」の技術ですが、「お問い合せ」「リード獲得」「ブランディング」といった成果につなげるためには、集客のスキルだけでは足りません。
実店舗型のビジネスを例に考えてみましょう。
売上を上げるためには、お客さんを来店させるだけでは不十分です。
お客さんに商品をたくさん購入してもらうためには、客導線に沿った商品の配置やPOPを使って商品への興味を引くといった、さまざまな工夫が必要になります。
オウンドメディアでも同じです。
単に集客するだけでなく、成果につながる戦略の考案やコンセプトの設定など、さまざまな工夫が必要です。
このように、オウンドメディア立ち上げにはさまざまな知識やノウハウが必要になってくるためSEOの知識だけでは足りません。
では、どのような知識やノウハウが必要になってくるのか?
次の項目で解説をしていきます。
そもそもオウンドメディアを立ち上げるために必要なものは何か?
オウンドメディア立ち上げを成功に導くためには具体的にどのような知識やノウハウが必要になってくるのかを解説をしていきます。
オウンドメディア立ち上げにはまず「コンセプト」が必要になる。
オウンドメディアを立ち上げるためにはまず「コンセプト」が必要になります。
では、そもそもコンセプトとは何か?なぜ必要になるのでしょうか。
そもそもコンセプトとは何か?
ビジネス上におけるコンセプトとは端的に表現すると「企画の骨組み」を意味します。
そして、この「企画の骨組み」をもう少し具体的に表現すると「誰に、何を、どのように」を明確化したものであると言えます。
なぜなら、どのような事業を行うのか?という事業ドメインを設定する際に、顧客軸(誰に)、機能軸(なにを)、技術軸(どのように)の三つの視点で整理をするからです。
これは、言い換えれば事業の「企画の骨組み」はこの3つの要素から成り立っているとも言えます。
そのため、「誰に、何を、どのように」を明確したものが「企画の骨組み」であるといえるのです。
なぜコンセプトが必要なのか?
コンセプトというものがどういうものなのかは理解できたかと思います。
では、そもそもなぜオウンドメディアを立ち上げるときに「コンセプト」が必要になるのか?
「コンセプト」がないと構築する際の「方向性」がわからなくなるからです。
この重要性は建築業界を例にするとわかりやすいかと思います。
ビルなどの大きな建築物を作る際には、さまざまな分野の企業が一つの現場に集まって建築を行います。
その際に、建物を建てるための「設計書」がないとどうなるでしょうか?
当然、建物を建てることはできないということはわかるかと思います。
さまざまな企業が集まって、それぞれ別の部分を担当しながら一つの建物を構築できるのは「設計書」があるからできるのです。
オウンドメディアでも同じです。
「コンセプト」がないということは「設計書」がないということに等しいので、構築するのが難しくなります。
また、オウンドメディアを一人で立ち上げるということは少なく、外注を行ったりするため、さまざまな人が一つのオウンドメディア制作に携わります。
そういった意味でも設計書となる「コンセプト」が必要になるのです。
成果を出すためには「戦略」が重要になる
戦略とは、端的に表すと「目標を達成するための計画」のことです。
もし、成果を出すためにオウンドメディアを立ち上げるなら「戦略」が必要になります。
なぜならば、「戦略」がないということは、「リード獲得」や「お問い合わせ」といった成果につなげるための仕組みがないということを意味しているからです。
たとえば、オウンドメディアを立ち上げて、ある程度の数のユーザーがオウンドメディアに訪問している状態になったとしましょう。
しかし、戦略を策定していないということは「リード獲得」や「お問い合せ」といった成果につなげるための仕組みがないということになるため、この先、ユーザーの訪問者数が増えたとしても成果を出すことは難しいでしょう。
このようなことを起こさないためにも「戦略」が必要になるのです。
戦略を考えるための「マーケティング」の知識
ひとつ前の項目で「戦略」が必要であるということを解説しました。
では、戦略を考えるためにはどのような知識が必要になるのか?
「マーケティング」の知識です。
マーケティングとは、平たく言うと「商品が売れるまでの仕組み」を構築するのに必要な活動すべてのことを言います。
要は、商品が売れるまでのプロセスのすべてにマーケティングがかかわるということです。
これは言い換えれば、マーケティングを理解すれば、商品が売れるまでの流れを知ることができるということです。
たとえば、オウンドメディア構築の目的が「リード獲得」だったとします。
マーケティングの知識があれば、どのようなユーザーを集めて、どのように顧客育成をして、どのようにしてリード獲得につなげればよいのか?という流れを知ることができます。
そのため、マーケティングを知ると「戦略」を考えることができるようになるのです。
コンテンツ制作に必須な「SEO」の知識
オウンドメディアで成果を挙げるためには当然、ユーザーをオウンドメディアに集める必要があります。そこで必要になるのが「SEO」の知識です。
どれだけ、素晴らしい商品やサービスを持っていても、見込み客を集めることが出来なければ商品やサービスの受注にはつながりません。
成果につなげるためには見込み客を集めるための方法が必要であり、「SEO」の知識を持つことはオウンドメディアの立ち上げにおいて必須と言えるでしょう。
参考記事:【アクセス数増加?!】オウンドメディアのSEO対策方法をご紹介
以上のように、オウンドメディアを立ち上げるためにはさまざまな知識が必要になります。
オウンドメディア立ち上げに必要な費用は?
オウンドメディア立ち上げには「知識」や「ノウハウ」以外にも「費用」が必要になります。
ここでは、オウンドメディア立ち上げに当たってどれくらい費用が掛かるのかを解説していきます。
オウンドメディア立ち上げを実行するためにはある程度「費用」が必要
オウンドメディアを立ち上げるためには、ある程度の「費用」が必要になります。
なぜならば、完全に無料でオウンドメディアを立ち上げることはできないからです。
たとえば知識やノウハウがあって、「外注がいらない」といった場合にも、サーバー代などの料金がかかってきます。
どれくらいの「費用」が掛かるのか?
では実際のところ、外注する場合どれくらい費用が掛かってくるのか?
サイトの規模やクオリティによって、相場は変わってきます。
そのため、一概には言えませんが、以下にそれぞれのフェーズごとにどれくらいの費用が掛かるのか表で示します。
上記は、外注する場合にかかる費用の相場になりますが、内製化をする場合には費用をある程度抑えることができます。
ただし、オウンドメディア構築や運用のノウハウが無い場合には、新たに人材を採用しなければならず、採用コストなどがかかる場合があることも留意してください。
オウンドメディアの立ち上げ方とは?手順を解説!
ここまでで、オウンドメディアを立ち上げるために必要なものやかかってくる費用について解説をしていきました。ここからは、オウンドメディア立ち上げの手順を解説していきます。
オウンドメディアを立ち上げるための全体の流れとは?
まずは、オウンドメディアを立ち上げるための全体の流れを解説します。
- 目的を明確化する
- コンセプトを設定する
- 戦略を考える
- 戦略をもとにコンテンツを作る
オウンドメディアの規模や目的によって、多少変わる可能性もありますが、大きく分けると上記のような手順になります。
それぞれの詳しい内容については次の項目から順に解説していきます。
ステップ1:まずはオウンドメディア立ち上げの「目的」を考える
オウンドメディアを立ち上げるためには、まずは目的を明確化する必要があります。
目的を明確化しないと、「コンセプト」を設計することができませんし、「戦略」を考えることも難しくなります。
そうなると当然、「成果を出す」ということができなくなります。
また、オウンドメディアはさまざまな用途に使用することができます。
商品・サービスを売るために「リード獲得」や「問い合わせ」などの獲得をするのか、自社や商品・サービスの認知を広げるために「ブランディング」を行う。
もしくは、「人材採用」のためにオウンドメディアを活用するのかといったように、オウンドメディアを何のために立ち上げるのか、その目的を明確化していきましょう。
ステップ2:オウンドメディアの「コンセプト」を設定する
目的を明確化したら、次は「コンセプト」を設定します。
コンセプトを設定する
前述しましたが、コンセプトがないというのは「設計書」がないのと同義です。
「設計書」がないと「方向性」が定まらなくなるため、「戦略」を考えるのも難しくなるからです。そのため「コンセプト」を設定する必要があります。
では、どのようにして設定をするのか?
「誰に、何を、どのように」を明確化することで「コンセプト」が出来上がります。
実際に、ラーメン屋で考えてみましょう。
「誰に、何を、どのように」を明確化しなければ、当然普通のラーメン屋になってしまいます。
しかし、ここで「20代女性向けに、カロリーの低いラーメンを、おしゃれに盛り付けて提供する」という風に明確化してみたらどうでしょうか?
女性向けの「ダイエットラーメン」といったようなコンセプトが出来上がります。
このように、「誰に、何を、どのように」を明確化することでコンセプトを作成することができます。
コンセプト設計の注意点
コンセプトを設定する際には注意点があります。
それは「誰に、何を、どのように」を設定するときには、それぞれの要素を具体化する必要があるということです。具体化を行わないと、コンセプトにならないからです。
たとえば、先ほどのラーメン屋を例にしてみますが、「男性向けに、ラーメンを、提供する」といったように、ざっくりとした設定をしてしまうと普通のラーメン屋と変わらないコンセプトになります。
そうなると、コンセプト設計のメリットである「差別化」をすることもできません。そのため、それぞれの要素を具体的に設定する必要があります。
オウンドメディアを成功に導くための「戦略」を考える
「目的」「コンセプト」を設定したら、次は目的を達成するための「戦略」を考えていきます。
もしここで「戦略」を考えないと、オウンドメディアを立ち上げた後に成果を出すことが難しくなるためしっかりと考えておく必要があります。
「戦略」の具体的な設定方法については「目的」から逆算をして考えていきます。
目的を達成するためには、どのような要素が必要になるのかを洗い出し、それぞれの要素を達成するために必要な施策を考えていきます。
このように考えていくことで、戦略を練ることができます。
戦略を考える際には、「KPIツリー」を使って「KGI(最終目標)」から逆算して「KPI(中間目標)」を考えていくやり方をお勧めしています。
参照記事:正しい目標設定が成功の鍵!オウンドメディアのKPI設定方法を徹底解説!
戦略をもとにコンテンツ制作を実施する
「戦略」を考えたら、あとは戦略をもとにコンテンツ作成を行っていきます。
コンテンツが無ければ、オウンドメディアに人が集まらず、ただの箱になってしまうからです。
オウンドメディアは記事だけではなく、動画やホワイトペーパーなどのコンテンツを扱うことができるため、さまざまなコンテンツマーケティングによる施策を行うことができます。
そのため、具体的なコンテンツの作り方については、コンテンツの種類によって変わってきます。
言い換えれば、記事制作の知識だけではなく、さまざまなコンテンツ制作の知識が必要になることを意味しています。
それぞれのコンテンツに合った方法でコンテンツ作成をしていき、オウンドメディアのコンテンツを拡充させていきましょう。
ここでは、オウンドメディアで代表的な記事コンテンツの作成手順について紹介をします。
手順は以下になります。
- ターゲット(ペルソナ)を設定する
- キーワード選定を行う
- 記事構成(アウトライン)を考える
- 執筆
ターゲット(ペルソナ)を設定する
まずは、ターゲットを設定します。
誰に向けて書くかを設定しておくことで伝わりやすい文章を作成することができるからです。
また、自社のサービスに合ったユーザーをページに集めるためにも、どのようなターゲットにするのかを考えておくことが重要になります。
キーワード選定を行う
次に、ターゲットが検索しそうなキーワードを決めていきます。
ターゲットがどのようなキーワードで検索してくるのかを想定して記事制作を行うことで、自社のサービス属性に合ったユーザーを集客することができるからです。
記事構成(アウトライン)を考える
どのような記事構成にするのかを考えていきます。上位表示を狙うためにも、ユーザーが読みたくなるような構成を考えることが重要になります。
執筆
アウトラインまで考えたら、記事の執筆を行っていきます。
以上が、記事コンテンツの作成方法になります。
オウンドメディアは立ち上げてからがスタートライン
ここまでで、オウンドメディアの立ち上げの手順を解説していきましたが、ここで注意しておかなければならないことがあります。
それは、オウンドメディアは立ち上げがゴールではなく、立ち上げてからがスタートであるということです。
オウンドメディアは「リード獲得」や「お問い合わせ」といった何かしらの成果を目的に運営を行います。
実際、「コンセプト」や「戦略」を考えて、「コンテンツ」を拡充したとしても、すぐに成果が上がるものではありません。
そこから、効果測定をしながら、新規でコンテンツを追加したり、改善を行いながら成果につなげていくための「運用」が必要になります。
そのため、オウンドメディアは立ち上げてからがスタートラインであることを念頭に置いておく必要があります。
ノウハウやリソースが無いならオウンドメディア制作を外注するのもひとつの手
ここまでで、オウンドメディア立ち上げに必要なものや手順を解説していきました。
しかし、ここまで読み進めていった結果、「立ち上げに必要な知識やノウハウがない」「ノウハウを持っている人材を確保することが難しい」「そもそも人が足りず、立ち上げに必要な時間がない」といった課題が出てくる企業様も多いかと思います。
そのような方にお勧めしたいのが、「外注」です。
リソースやノウハウが足りないなら「外注」がおすすめです
ゼロから知識やノウハウを積み上げていくには時間はかかりますし、知識やノウハウを持った人材を雇うとなると、さらにリソースがかかります。
また、知識やノウハウが無い状態でオウンドメディアを立ち上げてしまうと、成果につながらないばかりか、無駄に費用が掛かってしまう場合もあります。
そうならないためにも、専門家に「外注」をすることをお勧めしています。
オウンドメディア立ち上げを外注するときの注意点と制作会社の選び方
もし、「外注」することを検討しているならば、注意点があります。
それは、「戦略」からしっかりと設計できる制作会社を選定するというものです。
もし「戦略」を考えずに、ただオウンドメディアを立ち上げてしまうと成果につながらず、無駄に費用を使ってしまうリスクがあります。
そうならないためにも、外注をする場合は、「戦略」から設計できる知識やノウハウを持った制作会社を選定することをお勧めしています。