オウンドメディアにおけるコンセプトは何故重要?設計のポイントも解説

この記事でわかること

  • オウンドメディアのコンセプトは、メディアの方向性や提供価値を左右する重要な要素
  • コンセプトを設定する際は、競合メディアの状況や自社のターゲット層も考慮する必要がある

 

オウンドメディアを立ち上げたものの、成果が出ずに悩んでいませんか?オウンドメディアの立ち上げにはコンセプトが不可欠です。明確なコンセプトがなければ、方向性にブレが生じ、コンテンツの一貫性も失われる可能性があります。本記事では、オウンドメディアにおけるコンセプトの重要性や設計手順、設計時のポイント、運用時に意識すべきコツを解説します。

そもそも必要?オウンドメディアにおける「コンセプト」とは

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オウンドメディアを立ち上げる際に、まず重要となるのがコンセプトの策定です。コンセプトとは、メディア全体の方向性や存在意義を定める軸となるものであり、誰に、何を、どのように届けるのかを明確にします。

コンセプトがないまま運用を開始すると、コンテンツの内容がばらつき、読者が欲している情報がどこにあるのかわかりにくい、つまり成果が出にくいメディアになるリスクが高まります。

逆に、しっかりとしたコンセプトを設定しておけば、運営方針や記事テーマの選定がブレることなく、安定した成果につながります。

たとえば、「企業の業務効率に関する疑問を解消する」というコンセプトを置いておけば、制作・提供するコンテンツには「業務効率化」という一貫性が生まれるはずです。基本的には検索流入からメディアを訪問するユーザーも「業務効率化」に関連する疑問や悩みを抱えていることが想定されます。コンセプトを定め、メディアに軸を持たせることでユーザーの疑問に応えつつ、成果につなげていく効果が期待できるでしょう。

オウンドメディアを継続的に成長させていくためには、初期段階でのコンセプト設計が欠かせません。

オウンドメディアのコンセプトが成果を左右する理由は?

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オウンドメディアのコンセプトは何故、成果を左右する要素となるのでしょうか。本項では下記4つのポイントから解説していきます。

・目的が不明確だとメディアの軸がブレる
・コンテンツの一貫性に影響する
・運用の迷走を回避する
・機会損失につながる

目的が不明確だとメディアの軸がブレる

オウンドメディアの運用において目的の不明確さは大きなリスクです。オウンドメディアの目的例としてはリード獲得、ブランディング、採用支援などがありますが、それぞれ、適切なコンテンツや運営方針は異なります。

また、目的が曖昧なままでは、記事内容に一貫性がなくなり、読者が何を期待すればよいのかわからなくなります。
さらに、メディア運営における判断も困難になりがちです。
たとえば採用支援を目的に据えていれば、「求職者に役立つコンテンツを提供する」という明確な判断基準が生まれます。その場合、自社が提供できる情報の中で何を発信して、何を発信しないべきか、コンセプトが明確であれば取捨選択の理由が明確化されるため、判断に迷いにくくなります。また、結果的にユーザーが見やすいオウンドメディアとなる可能性も高くなります。
明確な目的を設定することで、コンテンツ制作の指針が定まり、成果に直結しやすくなるでしょう。

コンテンツの一貫性に影響する

コンセプトが明確であれば、すべてのコンテンツに一貫したストーリー性を持たせることが可能です。読者は記事を通じてメディアの専門性や信頼感を感じ取り、継続的な訪問につながります。

一方で、コンセプトが曖昧だと記事のテーマがバラバラになり、ブランドイメージを損なってしまう可能性もあるでしょう。

特に専門性を打ち出したいBtoBメディアや採用オウンドメディアでは、一貫性が大きな差別化要因になります。継続的なコンテンツの質を保つためにも、初期段階でのコンセプト設計が重要です。

運用の迷走を回避する

オウンドメディアは継続運用が前提となる施策ですが、長期間にわたると方向性が揺らぐことも珍しくありません。新しいトレンドや社内の意見に流され、当初の目的から逸脱してしまうケースもあります。
コンセプトがしっかり策定されていれば、運用方針を見失わず、迷走を防ぐ基盤となります。定期的にコンセプトに立ち返ることで、必要な修正は加えつつも、全体の一貫性を保った運営が可能となるでしょう。

機会損失を防げる

コンセプトが曖昧な場合、せっかくのビジネスチャンスを逃す要因にもなります。メディア運営の軸がないと施策が曖昧となり、各種施策の効果が半減する可能性もあるでしょう。

たとえば、メディアのコンセプトが曖昧なままでSEOコンテンツやホワイトペーパー、自社社員のインタビュー記事など、雑多なジャンルのコンテンツを量産した場合を想定してみましょう。このような場合、「このメディアは何に関する情報発信をしているのか」という部分がユーザーには見えづらくなってしまいます。結果、自社商材・サービスや採用ページなどへ導線を繋いでも、期待する効果は得づらくなってしまうでしょう。

さらに、見込み顧客にメディアを魅力的と感じてもらえる機会が減り、l商談や採用への波及効果も限定的になります。逆に言えば、明確なコンセプトを定めることで、狙うべきターゲットに刺さる情報発信ができ、成果最大化につながるでしょう。

オウンドメディアのコンセプト設計を行う手順

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本項では、オウンドメディアのコンセプト設計を行う際の手順を以下4つのStepで解説していきます。

【Step1】事業課題や目的を語化する
【Step2】読者ターゲット・ペルソナを設定する
【Step3】媒体の方向性を明確化する
【Step4】コンテンツのテーマ・ジャンルを定める

【Step1】事業課題や目的を言語化する

まずはオウンドメディアを通じて解決したい事業課題や達成したい目的を明確にします。たとえば「リード獲得を強化したい」「採用活動を支援したい」「ブランド認知を高めたい」など、具体的に言語化することが重要です。

このステップを飛ばすと、後の施策全体にズレが生じてしまいます。まず第一に、「オウンドメディアを通じて何を達成したいのか」、目的の明確化を行いましょう。なお、目的を設定する際は、現場担当者をはじめ関係者を交えて議論を深めることで、現実的な目的設定が可能になります。

【Step2】読者ターゲット・ペルソナを設定する

次に、誰に向けて情報発信するのかを明確にしましょう。BtoBであれば業種・職種・役職、BtoCであれば年齢・性別・ライフスタイルなど、ターゲット像を具体化する段階です。

さらに、ペルソナとして詳細な人物像を描くことで、読者の課題感やニーズを捉えたコンテンツ設計が可能になります。ターゲットが定まっていないと、情報発信がぼやけてしまい、狙った層に刺さらない記事になりがちです。

【Step3】媒体の方向性を明確化する

メディアの立ち位置を定めることも重要です。情報発信型・事例紹介型・専門解説型など、どのスタイルを中心に据えるかによって、記事の切り口や制作体制が変わります。

・情報発信型:訪問したユーザーの疑問に答えるコンテンツを軸とするメディア(
・事例紹介型:自社商材の導入事例をはじめ、事例紹介コンテンツを軸に発信するメディア
・専門解説型:特定のジャンルに特化して情報を発信するメディア(例:医療・金融など、特定のジャンルに特化して解説しているメディア)

また、競合メディアとの差別化や自社の強みを活かせる方向性を意識することも必要です。読者にとって「このメディアを読む意味」が明確になるよう設計することが、長期的なファンの獲得につながります。

【Step4】コンテンツのテーマ・ジャンルを定める

最後に、具体的なコンテンツのテーマやジャンルを設定します。SEOキーワードや読者ニーズ、事業との親和性を踏まえて、複数のカテゴリを用意するのが一般的です。

テーマ設計が曖昧だと記事ネタに困りやすく、継続運用が難しくなります。大前提として、コンテンツのテーマが決まらない場合は、ペルソナ設計が甘いことが要因になっていることがあります。そのため、コンテンツというよりも、ペルソナ設計から見直すのも一つの手です。

初期段階でコンテンツの方向性や記事の更新計画まで整理しておくと、安定した運用が実現できます。

オウンドメディアのコンセプトを設定する際のポイントとは

続いて、オウンドメディアのコンセプトを設定する際のポイントを下記の点から解説していきます。

・メディアの提供価値をもとに設計する
・競合メディアとの差別化を意識する
・自社のブランドを意識して設計する

メディアの提供価値をもとに設計する

オウンドメディアは読者にどのような価値を提供するのかが肝心です。情報提供だけでなく「課題解決」「気づき」「安心感」など、読者のメリットを軸に設計しましょう。

自社が提供できる独自価値と読者ニーズの接点を見出すことで、成果につながるコンセプトが生まれます。表面的なトレンドに流されず、自社ならではの専門性や強みを活かす視点が不可欠です。

競合メディアとの差別化を意識する

ジャンルにもよりますが、インターネット上には類似テーマのメディアが存在する場合もあります。そこで重要なのが「自社ならではの切り口」を意識することです。

競合分析を通じて、どのような情報が不足しているか、どのように差別化が可能かを把握しましょう。たとえば「現場のリアルな事例紹介」や「専門家による深堀り解説」など、切り口次第で高い独自性を打ち出せます。

自社のブランドを意識して設計する

オウンドメディアは企業ブランドの延長線上に位置付けられます。したがって、コンセプト設計の段階から自社のブランドイメージを意識することが大切です。

トーン&マナー、ビジュアル、記事の語り口まで統一感を持たせることで、メディア全体で一貫したブランドを提供できます。結果として、読者の信頼感や企業への好感度向上にもつながります。

オウンドメディア運用開始後にコンセプトを維持するコツとは?

続いて本項では、オウンドメディアの運用を開始した後、コンセプトを維持するコツを下記の点で解説していきます。

・一貫性を共有する仕組みづくりをしておく
・コンテンツの管理を徹底する
・定期的な見直し・改善の機会を設ける

一貫性を共有する仕組みづくりをしておく

運営メンバーが増える・交代するといった流動的な状況でコンセプトのブレを防ぐには、社内で共通認識を持つ仕組みが必要です。運用ガイドラインやコンテンツポリシーを文書化し、新任メンバーにも共有できる体制を整えましょう。

編集会議で定期的にコンセプトを再確認することも有効です。組織的な仕組みが整っていれば、担当者の変更があってもメディアの軸がぶれにくくなります。

コンテンツの管理を徹底する

公開した記事がコンセプトに沿っているか常にチェックする体制も重要です。記事公開前のレビュー体制を整えたり、既存記事の棚卸しを定期的に行ったりすることで、内容の質と一貫性を保てます。

また、コンテンツ管理シートを活用し、テーマ別・ターゲット別の進捗状況を可視化しておくと、管理負荷も軽減できます。

定期的な見直し・改善の機会を設ける

市場環境や事業戦略が変化すれば、オウンドメディアのコンセプトも微調整が必要になります。定期的にKPIを振り返り、成果と課題を検証しましょう。

その上で、必要に応じてコンセプトや運用方針の見直しを行いましょう。柔軟に改善を加えることで、常にターゲットに価値を提供し続けるメディアへと成長していきます。

オウンドメディアのコンセプトを設計して一貫性のあるメディアを構築しよう

オウンドメディアの成否は、初期段階のコンセプト設計に大きく左右されます。明確な目的設定やターゲットの定義、媒体の方向性を固めることで、一貫性のある高品質な情報発信が可能です。さらに運用開始後も定期的な見直しと管理体制の整備により、コンセプトの軸を維持し続けることが成果につながります。長期的に価値を提供し続けるオウンドメディア運営のために、ぜひ本記事のポイントを実践してください。

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佐藤廉

記事の投稿者: 佐藤廉

Appmartディレクターの佐藤です。 宣伝、Webライターを経験後、Webマーケティングの世界に入りました。 趣味はゲーム、ファッション、スポーツ観戦です。

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