オウンドメディアは意味がない?避けたい7つのケースとは

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この記事でわかること
・オウンドメディアは戦略ありきでないと意味がない
・オウンドメディアはすべての製品・サービスに効果があるわけではない

「オウンドメディアを運営しているものの、効果が感じられない、あるいは意味がないのではないか」と感じていませんか?オウンドメディアの価値は戦略によって左右されるといっても過言ではありません。正しい運用戦略を理解しないまま始めてしまうと、期待通りの結果が得られないこと多々あります。そこで本記事では、オウンドメディアが意味を失ってしまう原因や、成果につなげるための具体的なポイントを整理しながら、自社にとって本当に必要かどうかを判断する基準も解説します。

オウンドメディアは意味がない?本来の目的とは

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オウンドメディアは本当に意味がないのでしょうか。まずはオウンドメディア本来の目的について以下のポイントから解説していきます。

リード獲得
・コンバージョン数の向上
・認知拡大

リード獲得

オウンドメディアの最大の役割のひとつは、見込み顧客の獲得です。訪問したユーザーに価値ある情報を提供することで、自社サービスへの関心へとつなげることができます。

たとえば、ホワイトペーパーのダウンロードやお問い合わせフォームへの導線を設ければ、自然な形でリード獲得が可能です。リード獲得の仕組みを構築したオウンドメディアは、中~長期的な集客基盤として有効といえるでしょう。

コンバージョン数の向上

オウンドメディア運営には単なる集客手段としてではなく、CVを促す目的もあります。有益なコンテンツを通じてユーザーの課題や疑問を明確にし、解決策として自社のサービスや商品を提案することで、CVにつなげることが可能です。

具体的には、商材・サービスの導入事例やお客様の声など、意思決定を後押しする要素をコンテンツ内に組み込むことが可能です。信頼性のある情報でユーザーの行動を促すことができれば、成果につながる導線となります。

認知拡大

オウンドメディアは、自社ブランドの認知度を高める手段としても有効です。自社メディアから積極的に情報を発信することで、メディアを訪れた新たなユーザーが自社を認知する機会を創出できます。

加えて、SEO対策が成功すれば社名やサービス名を検索した際に公式サイトやメディアが上位に表示されるため、信頼性の向上にもつながります。短期的な成果が見えにくいものの、継続的に情報を発信し認知を拡大していくことで、競合との差別化を図ることが可能です。

オウンドメディアの意味がなくなってしまう7つのケースとは?

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では、オウンドメディアの意味がなくなってしまう場合、どのようなケースが想定されるのでしょうか。本項では、下記7つのケースから解説していきます。

・短期的に成果を出そうとする
・戦略がないまま運用を始める
・掲載コンテンツの質が低い
・自社のターゲット層とズレが生じている
・直接的なコンバージョンしか評価しない
・成果の出づらいKWで制作をしている
・オウンドメディア単体で成果を出そうとしている

短期的に成果を出そうとする

オウンドメディアは、短期的な成果を目的にすると意味をなさなくなることがあります。SEOにおける評価や自社のブランド認知はある程度時間をかけて得られるため、即効性は期待できません。

たとえば、公開から数週間でPVやCVが伸びないと判断して運用を止めると、本来得られるはずだった成果を逃してしまいます。流入やリード獲得増加は、数ヶ月~1年程度の時間が必要とされています。したがって、オウンドメディア運営ではメディアを育てる姿勢で継続的に運営することが重要です。

戦略がないまま運用を始める

戦略がないままオウンドメディアの運用を行っても、オウンドメディアが意味のないものになってしまいます。。目的やターゲット、KPIを定めず、なんとなく記事数を増やしたとしても、ターゲットとなるユーザーに届かず、成果につながりづらいためです。

どのような層に情報を届けたいのか明確にした上で構成やコンテンツを設計することで、初めて意味のあるオウンドメディアとして機能します。

掲載コンテンツの質が低い

オウンドメディアの信頼性と成果は、コンテンツの質に大きく左右されます。情報が古い、構成が雑、文章が読みづらいといった低品質な記事は、Googleからの評価を得られず検索順位も上がりません。

たとえば、独自性や専門性に欠け、情報量の薄いコンテンツを大量に投稿している場合、かえって企業の信頼を損なう結果になるでしょう。自社の持つ独自情報を活かした有益で質の高いコンテンツ制作が、成果への第一歩といえます。

自社のターゲット層とズレが生じている

ターゲットが明確でないまま記事を作成すると、読者とのズレが生じ、成果につながりません。そのため、まずは自社の商材のターゲット層を見極めたうえで、ターゲット層にとって有益な情報をオウンドメディア上のコンテンツを通じて発信していく必要があります。

たとえばBtoB向け商材を売りたい場合、一般消費者向けのコンテンツでは効果が見込めません。ターゲット層を明確にし、ニーズや検索意図に即したコンテンツ設計を行うことで、効果のあるオウンドメディア運営につながるでしょう。

直接的なコンバージョンしか評価しない

オウンドメディアの価値を、すぐに問い合わせや購入に直結したかどうかで判断するのは危険です。ユーザーはコンバージョンに至るまで情報収集や比較を繰り返し、最終的な意思決定を下します。そのため、直接的なCVだけで評価を下してしまうと、オウンドメディアの価値を見失いがちです。

たとえば、1回目の訪問で離脱したユーザーが、数回目の訪問で具体的な行動を起こすケースも多くあります。流入からCVまでのプロセスを可視化し、間接効果も含めた評価指標を設けることが重要です。

成果の出づらいKWで制作をしている

成果につながらないキーワードばかりを狙って記事を制作すると、オウンドメディアの価値は薄れてしまいます。検索ボリュームが極端に少ない、CVに直結しないキーワードを選んでしまうと、読まれたとしても成果にはつながりにくいためです。

そのため、ユーザーの購買プロセスに合わせ、「認知」「検討」「比較」など、各フェーズに適したキーワードを選定しましょう。

オウンドメディア単体で成果を出そうとしている

オウンドメディアだけで成果を出そうとすると、効果が限定的になります。オウンドメディアを糸口としていかに接点を増やしていくかが重要なポイントです。

たとえば、オウンドメディアで興味を持ったユーザーには、メルマガで再訪を促す、ウェビナーへ誘導するなど、接点を増やす工夫が不可欠です。オウンドメディア単体で完結させず、複数の施策と組み合わせてリードナーチャリングを行うことで、オウンドメディアは成果につながります。

オウンドメディア運営で成果をあげるポイントとは?

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続いて、オウンドメディア運営で成果をあげる際に重要なポイントを以下の要素から解説していきます。

・目的・目標を明確化する
・戦略を立てる
・コンテンツの質を改善する
・運営体制を整備する
・長期的な視点で運営する
・他の施策と連動させる

目的・目標を明確化する

オウンドメディアで成果を上げるには、まず目的と目標を明確にすることが必要です。目的が曖昧なままでは、記事の方向性やメディアの評価基準が定まりません。

たとえば「認知拡大」「リード獲得」「採用」など、目指す成果によって制作すべきコンテンツの方向性は異なります。明確な目的・目標を定めることで、運用の改善にもつながります。

戦略を立てる

成果を上げるには、戦略的な運営が欠かせません。記事を量産するだけでは、コンテンツ数が増えるばかりで、結果にはつながりづらいでしょう。

たとえば、ターゲットごとのカスタマージャーニーを定義し、各フェーズに応じた記事を配分するといった戦略構築が重要です。運営者が明確な方向性とシナリオを持ってコンテンツを展開すれば、メディア全体が成果に直結するでしょう。

コンテンツの質を改善する

コンテンツの質が高まれば、検索評価だけでなく、ユーザーの信頼も獲得できます。そのためには、記事の読みやすさ、情報の正確性に加え、ターゲットとなる読者の課題や疑問にマッチする情報の提供が必要です。

たとえば、画像による図解や具体例を交えて解説した記事は、読者の理解を助けてくれます。逆に抽象的な情報を羅列した表面的な内容では、読者の具体的な行動を喚起させづらく、成果には結びつきません。

また、定期的にリライトや情報更新を行うことも記事の質の維持に役立ちます。ユーザーにとって価値ある情報をコンスタントに届ける姿勢が重要です。

運営体制を整備する

成果を出すには、適切な運営体制の構築が不可欠です。属人的な対応では継続性が損なわれ、改善も実施しづらくなるためです。たとえば、編集・ライティング・分析といった役割を分担し、タスクを可視化してフロー管理を行うことで、理想的な運営体制が実現するでしょう。

運用ルールの整備も、品質とスピードの両立に効果的です。オウンドメディア運営では組織づくりも成果を出すうえで重要といえます。

長期的な視点で運営する

オウンドメディアは、長期的な運用によって効果を発揮する資産型の施策です。短期間での成果を求めてしまうと思うような効果が出ず、「意味がない」と感じてしまい、迷走しやすくなります。

SEOの効果は3〜6ヶ月以上かけてじわじわ現れるため、一定期間は「育てる」姿勢が求められます。中長期で記事が積み上がれば、安定的な流入とリード獲得が可能になるため、。根気強くコンテンツを制作・投稿しつつ、定期的な分析と改善を繰り返すことが不可欠といえるでしょう。

オウンドメディアが自社にとって意味があるか判断するポイントとは?

全ての企業にとってオウンドメディアが有効となるわけではありません。では、自社にとってオウンドメディア運営が意味あるものになるか判断するには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

・競合企業がオウンドメディアに注力している
・ターゲットとなる顧客層がWebで情報収集している
・リードタイムが長く、自社の専門性や信頼性を伝える必要がある
・広告施策からの脱却が課題となっている

上記4つの点から解説していきます。

競合企業がオウンドメディアに注力している

競合企業がオウンドメディアに注力している場合、自社でも導入を検討すべきといえます。同じ市場内での情報発信力が競合に偏ると、自社の存在感が薄れてしまい期間損失につながるためです。

たとえば、競合がオウンドメディア運営を通じて記事や導入事例により、信頼を獲得しているとしましょう。一方、自社に情報を発信できるメディアがなければ、見込み顧客は離れていきます。情報発信による競争力で劣らないためにも、競合の動向はオウンドメディアの導入における判断の大きな材料となります。

ターゲットとなる顧客層がWebで情報収集している

顧客がWebで情報収集をする傾向にある場合、オウンドメディアは有効です。購買前の比較検討や学習の場として、Webによる検索は欠かせない手段となっているためです。

BtoB商材において、担当者が課題解決につながる情報を求めて検索するケースは多くあります。たとえば、個人のタスク管理を課題として担当者がタスク管理の改善に役立つ情報を検索する、といった状況である場合、自社のオウンドメディアにタスク管理に関するコンテンツが網羅的かつわかりやすく紹介されていれば、自然にリード獲得や信頼醸成につながります。

リードタイムが長く、自社の専門性や信頼性を伝える必要がある

購買までの検討期間が長く、信頼性や専門性の訴求が求められる商材ほど、オウンドメディアの価値は高まります。ユーザーは繰り返し情報に触れるなかで、納得感を得るためです。

特に、高額なITツールやシステム、コンサルティングサービスなどは、導入の意思決定に時間がかかるため、比較検討の情報が必要とされます。継続的にコンテンツを提供し、段階的にユーザーを教育・支援できるメディアは、ユーザーの意思決定を助ける材料となるでしょう。

広告施策からの脱却が課題となっている

広告依存からの脱却を目指す企業にとって、オウンドメディアは有効な解決策です。広告は即効性がある一方で、予算が止まると成果も止まり、持続性に欠ける弱点があります。

たとえば広告費が高騰し、費用対効果が悪化している状況では、自社メディアを活用した自然流入の強化が求められます。オウンドメディアは資産であり、記事が増えるほど集客力も増していきます。

オウンドメディアで購買や問い合わせといった成果を出せるようになれば、必然的に広告費を削減することも可能です。広告とのバランスを見直す上でも、有力な選択肢といえるでしょう。

オウンドメディアの成功事例3選

本項では、実際に弊社がオウンドメディア運営を支援した成功事例を3つ紹介します。

成功事例①:A社(決済サービス)

一つ目に紹介する成功事例は決済サービスを提供するA社です。A社の課題として挙がっていたのは下記の点でした。

・広告経由の集客に依存しており、SEO対策を通じた流入を安定化させたい
・オウンドメディアを通じたCV数の獲得

上記の課題に対して、弊社が実施した対策は以下の4点です。

・SEO対策のための初期戦略
・特定のキーワードを軸に据えたクラスター構築
・CTA調整とマイクロコンバージョンの用意
CROとしてヒートマップ分析・改善

施策の結果として、開始当初と比較して自然流入数が約3.6倍に増加、CVの割合も広告と同程度まで改善することに成功しました。

成功事例②:B社(小売支援サービス)

2つ目に紹介する成功事例は小売支援サービスを展開するB社です。

B社では、

・フィールドセールスに頼っており、Webを活用できていない
・最適なSEO対策を行い、CV獲得の仕組みづくりを行う

といった課題を抱えていました。上記の課題を受け、弊社が実施した施策は以下の通りです。

・SEO対策における初期戦略構築
・記事の制作代行
・CVに貢献できるキーワード選定をはじめとしたSEO対策
マイクロコンバージョンの用意

施策の成果としては、アクセス数は開始当初から約6倍に成長、0件だったWeb経由でのCVも毎月10件以上獲得できるようになり、課題の解決に大きく近づいています。

成功事例③:C社(医療メーカー)

最後に紹介するのは、医療メーカーのC社のオウンドメディアにおける成功事例です。

C社では、

・流入数が減少しているものの、どのような対応を行えばよいか分からない
・サイト根本の改修コストが不足している

といった課題を抱えていました。弊社が実施した対策としては、以下の3点です。

・SEO対策における初期戦略構築
・CV獲得優先のキーワード設計
・成果につながるコンテンツ設計

上記施策の結果、C社の運営するオウンドメディアでは流入数は6.3倍に、CV数も1.4倍に成長し、オウンドメディアを通じた集客、CVの改善に成功しています。

「意味のない」オウンドメディア運営から脱却しよう

オウンドメディアは、正しく設計・運用されれば、リード獲得やブランド構築に貢献可能です。しかし、戦略が曖昧で他施策と連動できていないような場合、「意味がない」と評価されてしまうケースも存在します。重要なのは、目的とターゲットを明確にし、中長期で価値を積み上げていくことです。本記事を通じて、自社にとって本当にオウンドメディアが必要かどうかを見直し、成果に直結する運用に改善していきましょう。

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佐藤廉

記事の投稿者: 佐藤廉

Appmartディレクターの佐藤です。 宣伝、Webライターを経験後、Webマーケティングの世界に入りました。 趣味はゲーム、ファッション、スポーツ観戦です。

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