SEO対策を成功させるには、Googleのアルゴリズムの仕組みとアップデートの傾向を掴むことがポイントです。
ただし、Googleはアルゴリズムやアップデートの仕組みを詳細に発表していません。そのため、Google公式からの情報やこれまでのアップデートの傾向を掴み「Googleがどのような記事、サイトを評価するのか」を考察することが重要となります。
そこでこの記事では、SEOコンサル・運用サービスを提供する弊社が
・Googleアルゴリズムの仕組み
・これまでのアップデートの歴史と傾向
・SEO対策の本質
について紹介します。SEO対策を成功させて集客を増やしたいという方の参考になれば幸いです。
もくじ
SEO対策とGoogleアルゴリズムの関係性
自社のコンテンツが検索上位に表示されるかどうかは、200以上の判定基準を持つGoogleアルゴリズムという計算式・ルールによって決められています。Googleは、日々生まれる無数のコンテンツの中から、検索上位に表示すべき「良いコンテンツ」をアルゴリズムによって探し出しているのです。
そのため、SEO対策をする際は、Googleアルゴリズムがどのようなコンテンツを評価する傾向にあるのかを知る必要があります。
Googleアルゴリズムにどのような判定基準を設けているのかはオープンにされていません。そこでヒントとなるのが、「Googleが掲げる10の事実」と「Googleアップデート」です。
※ちなみに、アルゴリズムの考え方については以下で紹介されています。
Google検索の仕組み
Google が掲げる 10 の事実はGoogleアルゴリズムを紐解くカギ
Googleはユーザーが何を求め、何を嫌うのかを基準にコンテンツの良し悪しを判断すると公言しています。なぜなら、Googleのメインの収益は広告費であり、広告費を稼ぐためにはより多くのユーザーを獲得する必要があるためです。
では、具体的にGoolgeはどのような基準でコンテンツの良し悪しを判断しているのか、、それが「Google が掲げる 10 の事実」に記載されています。
「Google が掲げる 10 の事実」を要約すると、
・Google は、ユーザーの利便性と満足度を第一に考え、その実現に全力を注いでいる
・ユーザーのニーズを的確に捉え、それを満たすサービスを提供することに重点を置いている
参照:https://about.google/philosophy/
このように要約できます。
つまり、Googleは徹底してユーザーファーストに重きを置いているということです。後述するアップデートも、すべてはユーザーのために行われてきました。
Appmartでも、SEO対策に困ったら「Google が掲げる 10 の事実」という原点に戻ってコンテンツを制作しています。
「Google が掲げる 10 の事実」はもはやSEO対策のバイブル(聖書)とも呼べる存在です。
Googleアルゴリズムに関連する5つの要素
「Google が掲げる 10 の事実」がユーザーファーストをもっとも重要視していることはわかりましたが、具体的にどのようにユーザーファーストであるかを決定しているのでしょうか。
ここでは、Googleアルゴリズムに関連する5つの要素を紹介します。
1.Needs met:検索意図を満たせているか
Googleはあるコンテンツが「検索意図を満たしているか」をアルゴリズムによって判断しています。
検索意図には以下のように、いくつか種類があると言われています。
・Knowキーワード(知りたい)
・Goキーワード(行きたい)
・Doキーワード(したい)
・Buyキーワード(買いたい)
例えば、ダイエットをしたいと考えているユーザーがいたとします。その場合は、以下のように検索意図を分けることができます。
「ダイエット 方法」=Knowキーワード
「ダイエット ジム 地域名」=Goキーワード
「ダイエット 初心者」=Doキーワード
「ダイエット サプリ」=Buyキーワード
上記のように、検索するキーワードによって意図が異なることがわかるでしょう。
Googleは各コンテンツがユーザーの検索意図と合っているのかどうかをアルゴリズムによって判断し、評価が高いコンテンツを上位に表示しています。
2.Page Quality:ページの品質・信頼性は高いか
Googleはページの品質や信頼性でもコンテンツの良し悪しを判断しています。なかでも重要な指標がE-E-A-TとYMYLです。
E-E-A-T
E-E-A-Tとは、以下の頭文字を取ったものを指します。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
参照:https://developers.google.com/search/blog/2022/12/google-raters-guidelines-e-e-a-t?hl=ja
簡単に言うと、コンテンツには業界内で権威があり専門性のある人物が経験を踏まえて正確な情報や信頼性のある情報を記載するべきという考え方です。
E-E-A-Tについては後日別記事にて詳しく紹介しますが、ここではGoogleアルゴリズムの要素のひとつとしてE-E-A-Tという考え方があることを押さえておきましょう。
YMYL
YMYLとはYour Money Your Lifeの頭文字を取ったものです。
Googleの検索品質評価ガイドラインでは「人々の幸福、健康、経済的安定、安全に影響を与える可能性のあるページ」と表現されています。
YMYLに当てはまるページは主に以下の通りです。
・医療サイト
・健康サイト
・法律系サイト
・保険サイト
・金融サイト
このように人々の生活に密接に関係しており、かつ誤情報によって人々が大きな損害を受けるであろう情報が該当します。
Googleによると、ほとんどのサイトはYMYLに該当しないと言われていますが、YMYLに該当するであろうサイトを運営している場合には、よりE-E-A-Tを意識したコンテンツ制作が必要になります。
3.Site Trust:サイトは信頼できるものかどうか
Googleはサイトの信頼性を踏まえて各種ページを評価しています。サイトの信頼性は主に以下の要素で決定されていると言われています。
- ドメイン
- 被リンク
- サイテーション
SEOではドメインの取得年数が長いほど、評価されやすいと言われています。しかし、取得年数が浅いサイトでも被リンクを多くもらえているサイトであれば、信頼性の高いサイトとして評価されることも十分考えられます。
被リンクとは、外部のサイトに貼られた自社サイトのリンクのことを言います。GoogleはSEO評価を付ける基準として、論文が評価される仕組みを採用していると言われています。
具体的には「良い論文は多くの論文に引用される(参考文献に記載される)はずだ」という考え方です。
そのため、被リンクが多いほどサイトの信頼性が高まると言われています。被リンクと似た考え方でサイテーションという要素もサイトの信頼性評価を決めています。
サイテーションとは直訳すると言及、引用という意味です。SEOでいうと、自社サイトのサイト名や社名、サービス名や電話番号などの固有情報が他ページにて記載されている状態をいいます。
4.Usability:ユーザーが使いやすいページになっているか
Googleは、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)をSEO評価の基準にしていると発表しています。
引用:https://developers.google.com/search/blog/2020/05/evaluating-page-experience?hl=ja
そのため、ユーザーにとって使いやすいサイト、ページを制作することがSEO対策のポイントとなります。
特にページの読み込み速度や広告の多さはユーザーの利便性に直結します。自社サイトのページ表示スピードや見やすさは日頃からチェックしておくのがおすすめです。
5.Loss Points:減点ポイントはないか
サイト内に減点要素がないかどうかも、Googleは判断しています。特に
・Googleのガイドライン違反をしているページがある
・他サイト、ページをそのままコピーしているページがある
・Googleのクローラーがクロールできないページがある
これらに当てはまる場合は、評価されない可能性が高いといえます。
Googleアルゴリズムのアップデート変遷から読み解くSEO対策
Googleアルゴリズムのアップデートとは、Googleアルゴリズムが見直されることを言います。なかでもコアアップデートではコンテンツ評価の判断基準が改良されるため、検索結果が大規模に変動するのが一般的です。
SEO対策をする場合、ここまで紹介したGoogleアルゴリズムに関連する要素を踏まえて施策を実施する必要があります。
さらに、Googleアップデートによる順位変動が起きた場合は、順位が変動した後に上位を獲得・維持することも必須です。
そのため、Googleはどのような背景からアップデートを実施しているのかを把握することが重要です。そこでここでは、これまでの代表的なGoogleのアップデートの沿革と詳細について紹介します。
パンダアップデート
2011年2月に日本で導入された「パンダアップデート」は、質の低いコンテンツやユーザーにとって価値の無いページを判断し、検索結果に表示されにくくするために行われたアップデートのことです。
質の低いコンテンツとは、コピーされたコンテンツや、アフィリエイトばかりのコンテンツなど検索者があきらかに望んでいるものとは違うコンテンツが該当されます。
以前は「コンテンツ・ファーム」という、価値を与えていないコンテンツでも膨大な量になることによって、規模や権威などで上位に表示されていることもありましたが、これらのコンテンツを検索結果から除外することで、ユーザーの最適な検索を手助けする事ができるようになっています。
ペンギンアップデート
2012年4月に導入された「ペンギンアップデート」は、ブラックハットSEOといわれる検索エンジンや検索者にとって良くないSEO対策を行っていたページの検索順位を下げて、その逆のホワイトハットSEOを行っているページの評価を上げる為のアルゴリズムの改善のことです。
このアップデートが実施される前は、あたかも被リンクが多く指示されているサイトに見せたり、スパムのような行為を行ったりと、検索エンジンを騙すようなやり方でもページが上位に上がってきていたのですが、このアップデートにより、ある程度は正当にコンテンツが評価されるようになってきたのではないかと言われています。
パイレーツアップデート
2012年8月に導入された「パイレーツアップデート」は、著作権侵害などの対策を強化するアップデートで、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいた著作権侵害の申し立てを専用フォームから受け付けており、その申し立てを多く受け取っているサイトの対応(評価を下げる)をするためのものです。
著作権侵害の申告を多数受けているサイトの評価を落とすことで、コンテンツホルダーの権利を守ることに繋がりますが、最近ではキュレーションメディアでこういった問題は浮き彫りになってきているため、Googleの対応含めて注目のアップデートです。
ハミングバードアップデート
2013年9月に実施された「ハミングバードアップデート」は、検索結果を自然な会話のように表示するためのアップデートです。
今までは辞書を引くようなワードで行っていた検索ですが、まるで会話で教えてもらうかのように検索結果を表示します。これらのアップデートが現在も継続して行われています。
そして、アップデートを継続的に行われるからこそGoogleの検索エンジンはたくさんの人が安心して利用しているのです。
ペイデイローンアップデート(通称)
2013年6月に実施された「ペイデイローンアップデート」とは、ローンやクレジット系、アダルト系など一部のキーワードに対して適応されたもので、コンテンツの品質やスパム排除のためのアルゴリズムです。
このアップデートが実施される前は、上記のような一部のキーワードでの検索結果はスパムサイトなども多く表示されてしまっていましたが、この更新で除外されるようになっています。
一般的なキーワードにはほとんど影響が無いアップデートといわれています。
ベニスアップデート
2014年12月に導入された「ベニスアップデート」は、美容室や病院など地域性が重要とされるキーワードを検索する際に、地名を入力しなくてもユーザーの位置情報を基に検索結果にも反映させることができるようになったアップデートです。
モバイルフレンドリーアップデート
2015年4月に導入された「モバイルフレンドリーアップデート」は、その名の通りモバイルで検索をかけた際に最適化されているページの検索結果が引き上げられるというものです。実際私たちも、検索してからなかなか結果が表示されないページは、自然と離脱してしまうかと思います。
このアップデートからわかるように、Googleはユーザーにとって不利益、不便な状況を排除し、徹底したユーザーファーストを実現しています。
日本語検索アップデート
2017年の2月に実施されたアップデートです。目的は、日本語検索の品質の向上でした。そのためこのアップデートは日本限定のものです。アップデートの背景はコピーコンテンツの増加と、それらが上位表示されることでした。
Googleはコンテンツの正確性、独自性を重視するようアップデートをかけ、情報を集約しただけのいわゆるキュレーションメディアが、検索上位から姿を消していきました。
医療健康アップデート
2017年12月、医療や健康関係の情報の精査を目的に行われたアップデートです。アップデート背景や、医療・健康に関する根拠のない情報が上位に表示されていたことでした。
Googleはこのアップデートを機に、医療や健康に関する情報については医療機関や医療従事者、専門化から提供、あるいは専門化に監修された情報を評価するようになりました。
また、YMYL(Your Money Your Life)と呼ばれる、人の生活やお金など生死に関するキーワードについても、医療健康アップデートと同様の改善が加えられています。
スピードアップデ―ト
モバイルページ表示速度に関して、2018年7月に行われたアップデートです。このアップデートにより、検索してからのモバイルページの表示スピードも、SEOのランキングを決定する要素として加わりました。
スパムアップデート
文字通りスパムサイトの対策を目的として、2021年6月に行われたアップデートです。具体的には以下のコンテンツが影響を受けました。
・自動生成コンテンツ
・オリジナル性がほとんどないコンテンツ
・不正なリダイレクトが設置されているコンテンツ
・リンクプログラムへの参加
・ユーザーと検索エンジンにて、異なるコンテンツやURLを表示するコンテンツ
など
Core Web Vitalsアップデート
ページの読み込みスピードや、コンテンツの双方向性(インタラクティブ性)など、ユーザーエクスペリエンス(UX)に関連するアップデートです。2021年6月に実施されました。
Core Web Vitalとは、Webサイトの健全性を示すものであり、
・LCP:メインコンテンツが読み込まれるまでにかかる時間
・FID:ユーザーの最初のアクションへのブラウザの対応時間
・CLS:意図しないレイアウトのずれの有無
これらがユーザーにとって有益でない場合は、コンテンツとして評価されないよう、アルゴリズムが改善されました。
商品レビューアップデート
2022年2月には、商品レビューの品質を重視するアップデートが実施されました。これにより、良質な口コミサイトの評価が上がったと言われています。
その他コアアップデート
Googleは大規模なアルゴリズムの改善・改良のために年に数回コアアップデートを行います。
2023年は3月と8月にコアアップデートが行われました。いずれも質が低いコンテンツを定評化したり、生成AIによる無駄なコンテンツの上位化を防ぐため、オリジナリティのあるコンテンツを評価したりと、評価基準がよりユーザーファーストなものに変わってきています。
これらのアップデートは、ユーザーにとっての不利益を避け、ユーザーにとっての不便を避け、ユーザーにとって最適な情報の取得のために行われてきたといえるでしょう。やはりGoogleは「ユーザーファースト」を徹底していることがわかると思います。
SEO対策の基本は「ユーザーファースト」
SEO対策を成功させるには、ある種Googleの基準に則ったコンテンツ制作が欠かせません。しかし、Googleのコンテンツ評価基準は明確にされておらず、定期的に変化していきます。
そのため、本質を捉えたSEO対策が重要です。その本質とは「ユーザーファースト」。ユーザーのことを考え、ユーザーの利益を考えればおのずビジネスは成功する。という考えのもとコンテンツを制作することでSEO対策は成功に近づいていくとAppmartは考えています。
・自社としてユーザー(見込み顧客)に何を提供できるのか
・どんな価値をユーザーは期待しているのか
これらを深堀りし、コンテンツを制作することで、結果的にSEO対策の成功が見えてくるはずです。
この記事が、SEO対策の成功に少しでも貢献できれば幸いです。
なお、AppmartではSEOのコンサル・記事制作代行サービスを提供しています。ご興味のある方はぜひお問合せくださいませ。