コンテンツマーケティングにおいて目標設定は、限りあるリソースを集中化するのに重要な項目となります。
目標があることで「〇〇を達成させるために〇〇を行う」という言語化ができるため、やるべきこと・やらないことが決まるためチームの動きもブレません。
一方で、目標がないと「コンテンツを配信することが目的」となり、何に向かっているのかがわからなくなってしまいます。
そうならないためにも、目的に応じた目標設定を行い、社内外問わず共通認識を持ち運用もスムーズに進めましょう。
もくじ
目標設定を行ううえで事業を俯瞰してみる
コンテンツマーケティングは、企業にとってのマーケティング活動の一部です。
事業全体の目標と課題を確認し、何を担うのかを定量的に落とし込むことで、やるべきことが見えてくるようになります。
事業活動の中には、それぞれの立場から見た課題があります。
業務領域の中でも、営業やプロモーション担当者としては、ミッション達成のために「反響やリード数を増加したい」「契約率や会員登録率を向上したい」「認知拡大・ブランディングを行いたい」など、成功へのKFSがあります。
これらの「〇〇したい」という背景には、これがあれば事業が成功するという何等かの背景と課題があるため、解決するためのマーケティング活動があり、その中でもコンテンツマーケティングでは何を担うのかを明確にしていきましょう。
各種マーケティング活動とコンテンツマーケティングの連携
成果を加速させるためには、コンテンツマーケティングと他マーケティング活動を連携させる必要があります。
例えば、「広告によるCVRの効果が良くない」という課題があった場合、まずはコンテンツマーケティングによる自然検索の流入を伸ばした後に、リマーケなどでデータ活用を行い、広告の最適化を行う。といった具合です。
各種マーケティング活動を連動させることで相乗効果を生み、より高い成果を得られる可能性があります。
手法 | 課題 | コンテンツマーケティングとの連携施策 |
---|---|---|
広告 | CVRが良くない、獲得単価が高騰している | ・コンテンツマーケティングでリードを獲得し、セグメントを切って広告の拡張配信を行う。・自然検索の流入を伸ばし、リマーケなどでデータ活用を行う。・コンテンツマーケティングで潜在層から囲いにいく。など。 |
イベント | 名刺は集まるがCVまでいかない | ・イベントで集めたリード情報に対して、コンテンツ×メール配信でナーチャリングを行う。 |
セミナー | 集客がうまくいかない | ・セミナー誘致につながる育成コンテンツを配信する |
PR | ネタ切れ、拡散力がない | ・調査データなどの活用でタッチポイントを増やす。・独自性のあるコンテンツでリンクビルディングを行う。 |
DM | 配信するネタがない、メールからの集客が伸びない | ・ホワイトペーパーの連携でリードを獲得する。・コンテンツの定期配信で有益な情報を発信する。 |
これらのように、現施策の課題は何かを明確にし、足りない部分をコンテンツマーケティングで補うという方法や、連携することで効果を伸ばすということが可能になります。
重点施策は何か、「〇〇があれば解決する」というところまで落とし込み、そこに至るまでの必要項目を目標に設定しましょう。
コンテンツマーケティングを軸にした目標設定
コンテンツマーケティングだけで目標を追う場合もあります。
昨今、バナーブラインドネス化やアドブロックなどの影響で広告効果が下がっているという声も挙っており、コンテンツマーケティングをマーケティング活動の軸として進めるケースも増えてきました。
こうした場合にどのように目標を定めてよいのか例を挙げてみます。
目標設定を行いやすいように、契約をゴールにしたわかりやすい例をもとに見ていきます。
サービス | toB向けのSaaS型サービス。 |
事業課題 | 月間の契約数を今よりも10件増やしたい。 |
現状KPI | 反響からの契約率は20%。 |
コンテンツマーケティングの目的 | 反響数の増加。 |
目標 | 月間契約件数を10件増やすために、反響数を月間50件増加する。 |
戦略 | オウンドメディアを構築し、SEOコンテンツや意向度を醸成させるための記事を配信し、メディアからCVポイントへ遷移させる。 |
この数値を達成させるための、KPIの逆算式がこちらです。
KPI | 数値 |
---|---|
反響数 | 50件 |
反響CVR | 5% |
CVページのUU | 1,000 |
CVページへのCTR | 2% |
サイト全体のユーザー数 | 50,000 |
(再訪ユーザー) | 10,000 |
(新規ユーザー) | 40,000 |
上記はあくまで、目標達成までの簡単な数値指標です。
当然、反響CVR(獲得率)やCVページ(LPやフォームなど)へのCTRはクリエイティブの改善によって数値変動があります。
また、母数としてのユーザー数をどう集めるかもポイントになります。
再訪率を上げるためのコンテンツ施策や、新規ユーザーを集客するためのSEO対策やPRなど、考えられる施策はさまざまです。
このように仮説を立てて始めることで、何が良くて何が悪いのかの判断がつきやすくなるのと同時に、何のために実施するのかが明確になるため稼働もしやすくなります。
ここで注意しなければいけないのは、この仮説は現実と見比べて柔軟に調整する必要もあるということです。運用次第で、現実的に改善できるKPIとそうでないものが発生するからです。
それは利用するコンテンツの種類や、リソースにもよりますので解析がわからなければ専門家に相談するのが良いでしょう。
また、商品やサービスなどの特性によっても平均値は変わってきますので、すべての業種が上記シミュレーションに該当するかは一概には言えません。
これらの目標を立てるうえで、事例を持つ専門家の手を借りるのも選択肢のひとつです。
KPIを把握しておく
コンテンツマーケティングにおいてKPIとして定める項目は目標によって変わります。 一般的な項目はこちらホワイトペーパーでもご紹介しています。
自社の目標に対して、どのKPIを追うべきなのかも把握しておくこと、振り返りの際にデータを解析しやすく、議論も具体化できます。
まずは自社の成功のために、どんなKPIを追うのかを知識として持っておくとよいでしょう。
目標設定はやるべきことの逆引きになる
コンテンツマーケティングの目標設定を行うことで、やるべき仕事が明確になってきます。 ただ闇雲にコンテンツを配信していては、達成も振り返りも難しいでしょう。
まずは事業全体の課題から、コンテンツマーケティングで何を期待するのか、自社内で共通認識を持って運用していただければと思います。