Webサイトを運営するうえで欠かせないコンテンツマーケティング戦略。バナーブラインドネス化やアドブロックが増える中で顧客獲得の手法として非常に注目を集めています。
しかし、戦略をしっかりと組み立てて計画的に実行しないとなかなか思うよう結果が得られないのも事実。
そこで今回Appmartは、Webメディアを運営している企業でコンテンツマーケティングに関わる20~50代の男女331人を対象にコンテンツマーケティングについてのアンケートを実施しました。
コンテンツマーケティングの必要性や、コンテンツ制作に興味・関心のある企業さまにとって、今後のメディア運営やビジネス戦略の方針決定の選択要素としてご参考にしていただければ幸いです。
もくじ
- 1 コンテンツマーケティングはなぜ必要なのか
- 2 コンテンツマーケティングとは「売れる仕組み」を作る手法
- 3 コンテンツマーケティング調査結果【2017年】
- 3.1 Q1:あなたがお勤めの企業の業種を教えてください。
- 3.2 Q2:あなたがお勤めの企業での従業員数を教えてください。
- 3.3 Q3:あなたのお勤めの企業で、コンテンツマーケティングを行う目的を全て教えてください。
- 3.4 Q4:あなたのお勤めの企業で、コンテンツマーケティングの運営体制にもっとも近いものを教えてください。
- 3.5 Q5:あなたのお勤めの企業で、一ヶ月のコンテンツマーケティングの運用にかかる費用を教えてください。
- 3.6 Q6:あなたのお勤めの企業のコンテンツマーケティング運用において、もっともコストがかかっているものを教えてください。
- 3.7 Q7:あなたがお勤めの企業でコンテンツマーケティングを始めてから、成果を実感し始めた時期を教えてください。
- 4 コンテンツマーケティング経験者が求めるモノとは
- 5 重要なことは良質なコンテンツをコンスタントに配信
コンテンツマーケティングはなぜ必要なのか
そもそもコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えているのはなぜなのでしょうか。
テレビの番組放映時間に人間が合わせて行動する時代は終わり、携帯電話やPC機器の発達で各々が場所や時間を問わず常にコンテンツに接触するスタイルが定着しています。
そしてインターネットの広告では不要な広告をブロックすることも可能となり、生活者への情報発信は複雑化する一方です。
ネイティブ広告などでアプローチの方法を工夫するなどし、購買意欲を増進させるための技術は常に進歩しています。しかし質の良いコンテンツが必要となるのは変わりません。
このような時代背景もあり、ユーザーにとって適切なコンテンツと配信タイミングでアプローチする「コンテンツマーケティング」の方法が選択されているといえます。
海外では数多くの企業が導入している
日本はアメリカよりも数年程度遅れているといわれていますが、近年は「コンテンツマーケティングEXPO」が毎年開催され、年々来場者と出展社数を伸ばし注目を集めています。
IT化の流れで今後ますます需要が高くなる分野であり、Webサイトを運用するうえで対策をしていかないと顧客に見つけてもらえず、膨大なネットの情報に埋没していくでしょう。
それを防ぐためにも自社の情報を消費者に発信するには、何らかのコンテンツを用意し、マーケティング手法を行うことが得策となっています。
コンテンツマーケティングとは「売れる仕組み」を作る手法
ユーザーが常に接触しているコンテンツは、コラムやブログ記事、動画などさまざまです。これらは企業が設定したターゲットや目的に合わせてキーワード選定や構成案が企画され、無関心層、興味・関心層、比較検討段階層など、ユーザーの心理レベルに合わせてアプローチを行い、見込客から顧客化へとつなげていきます。
そのためには情報ニーズをいかに捉えられるかが重要で、さまざまな調査や分析、効果測定を行いながらコンテンツに落とし込むことが必須になります。
企業が発信したい情報とユーザーが求める情報のギャップを埋め、関係性を築いていくためにも、カスタマージャーニーを理解したうえでのペルソナ設計が必要。一般的な広告の場合、企業からの一方的な情報伝達になり、ユーザーニーズとのギャップが生まれてしまうことも多々あります。カスタマージャーニーごとに作られたコンテンツやマーケティングプランが適切であれば、見込み客のリードやリピーターの獲得が可能になるでしょう。
定義や仕組みはさまざま
コンテンツマーケティングというと「SEO」(検索エンジン最適化)という人や、「動画」と考える人などさまざまです。コンテンツで売れる仕組みを作ることがコンテンツマーケティングであり、有効とされるコンテンツの種類は数多くあります。そして、「適切なコンテンツでユーザーに情報伝達する」というマーケティング手法でもあるため、コンテンツの内容は各企業が目指すものや商材によっても変わります。
インターネット上ではさまざまな成功事例を見ることができますが、企業によって売れる仕組みは違うので、しっかりと市場・競合調査、商材のターゲットを掘り下げることが必要です。
各社どのような戦略や体制でコンテンツマーケティングを行っているのか、調査データとともに紐解いていきます。
コンテンツマーケティング調査結果【2017年】
では、2017のコンテンツマーケティング実態調査の結果を見ていきましょう。
自社コンテンツの目的や運用コスト、成果を実感するまでの期間や集客につながったコンテンツなどを調査しました。これからコンテンツ制作を検討している企業様にとって参考にできる調査結果を紹介します。
Q2:あなたがお勤めの企業での従業員数を教えてください。
実施企業は数人~5000人以上と、企業規模の幅は広い
「100人以上~500人未満」(21.8%)の企業が最も多く、次に「5000人以上」(15.1%)。僅差で「500人以上~1000人未満」(14.8%)の企業が並びます。
10%以下には、「50人以上~100人未満」(8.5%)や30人未満の企業、「1000以上~2000人未満」(7.3%)など、幅広い規模の企業がコンテンツマーケティングの有効性を感じ、取り組みを行っていることがわかります。
オウンドメディアやサービスサイトを運営するにあたり、専任の担当者がいなくともアウトソースできる面もあるため、このようなばらつきが見られると思われます。
Q3:あなたのお勤めの企業で、コンテンツマーケティングを行う目的を全て教えてください。
目的は「顧客獲得」(55.9%)と「売上拡大」(55.0%)がほぼ同列
コンテンツマーケティングの目的は、「顧客の獲得」(55.9%)が最も多く、ほぼ同列で「売上の拡大」(55.0%)となりました。
次に商品価値を高める「ブランド認知の向上」(47.1%)と「見込み顧客の獲得」(46.8%)が続き、顧客の育成を視野に入れた取り組みが重要視されています。「サイトのトラフィック向上」(29.6%)は必ずしも顧客獲得やブランディングにつながるわけではないため、目的としては少ないようです。
Q4:あなたのお勤めの企業で、コンテンツマーケティングの運営体制にもっとも近いものを教えてください。
67.9%の企業が運営・制作をアウトソースしている
「コンテンツ制作・分析改善・運営はすべて自社内で完結」が24.8%で最多となりました。自社内で制作部隊、運営部隊など運営チームを用意し実施していることがうかがえます。
一方で、「その他」や「わからない・答えられない」を除くと、業務の一部もしくはすべてをアウトソースしているケースが67.9%という結果に。人材不足で悩む企業が多い中、外部の専門家の手を借りて運営をしている企業が過半数を占めていることがわかります。
コンテンツ制作を委託する理由は、社内にコンテンツを作成できる者がいない、リソースが足りない、ノウハウを持った外部に委託したほうが良いと考えることが主でしょう。
反対に、自社でコンテンツ制作し他の業務をアウトソースしている場合は、マーケティングプランやペルソナ設計などを委託するケースが多いと思われます。
自社だけでは戦略設計が難しい場合にはこちらのケースが向いているといえます。
また、自社内で完結させようとすると、ツールの導入やリソースなどコストがかかりがち。多くは、外注することでノウハウを持った外部の人間から効率的にアドバイスが貰えることに期待しています。
独自コンテンツの企画やマーケティングプランなど、外部と良好な関係を築き企画や方針など密なコミュニケーションを重ねれば良質なコンテンツが出来上がるでしょう。
Q5:あなたのお勤めの企業で、一ヶ月のコンテンツマーケティングの運用にかかる費用を教えてください。
運用費用のボリュームゾーンは30万円~100万円
月間の運営費用としては「30万円以上~50万円未満」と「50万円~100万円未満」がともに14.8%となりました。そのほか100万円以上と回答した企業が合計31.9%となり、コンテンツマーケティングでの成果や期待がうかがえます。
費用については制作するコンテンツの量や質、管理やアウトソースの範囲によって変動がありますが、大事なことは目標やKPIを定め必要な業務の洗い出しを行うこと。その業務に対しての費用算出が重要となります。
Q6:あなたのお勤めの企業のコンテンツマーケティング運用において、もっともコストがかかっているものを教えてください。
一番費用をかけている業務領域は「アウトソース」
最もコストをかけているのは「アウトソーシング(運営代行)費用」で23.6%となりました。
自社に足りない業務を補える運営代行はコンテンツマーケティングのBPOとして注目されており、運用していくうえでは欠かせない存在になってきています。
次に多いのは「CMSなどのサイト保守・管理費用」(15.7%)や、コンテンツの質や集客につながる「記事・メルマガなどテキストコンテンツ制作費用」(14.2%)。そして行動データの調査ができる「分析ツール費用」(13.6%)と続きます。コンテンツマーケティングで欠かせない項目は、なかなか費用を削りにくいところでもあります。
「専門家などの監修・アサイン費用」(9.1%)は信憑性や専門性が求められる業界・ジャンルのコンテンツでは必須の費用となるでしょう。
メディアの立ち上げ時は、最初に先行投資としてノウハウのある運営代行にアウトソースし、協力して進め自社内にノウハウを落とし込めれば、ランニングコストとしては安く抑えられることもあるでしょう。
外部と運営を進めることは、常に実践的なノウハウが積めるメリットがあります。
Q7:あなたがお勤めの企業でコンテンツマーケティングを始めてから、成果を実感し始めた時期を教えてください。
成果の実感は「6カ月後」が最多
テキストコンテンツの検索上位表示や顧客の獲得件数など、企業によって「成果」はさまざまですが「6ヵ月経過した頃から成果を実感した」(26.9%)が最も多いようです。
続いて「1年経過した頃から成果を実感した」(19.9%)と、多くの企業が成果を実感値として感じるのは6ヵ月~1年という結果になりました。
「2年以上経過した頃から成果を実感した」(4.5%)や「それ以上経過した頃から成果を実感した」(3.3%)の場合は、SEO対策やペルソナ設計、コンテンツの質などが不十分だった可能性があります。
一方、「初めてからすぐ成果を実感した」(10.3%)は、すでに顧客がWeb上に滞留しており、顧客獲得に向けて有益なコンテンツを投下したことによってCVRが改善した例などがあるようです。
これからコンテンツマーケティングを始める場合は、戦略設計(ペルソナやコンテンツ戦略、SEOフェーズ戦略など)をしっかりと行わなければ、成果が遠回りになってしまうこともあるので注意が必要です。
一度外部の企業に相談してみるのもひとつの手です。
コンテンツマーケティング経験者が求めるモノとは
上記以外にも、コンテンツマーケティングの結果をふまえてどうだったのかという設問も伺いました。
「2017年もっとも獲得(CV)につながったコンテンツ」や「”これがあれば成果を早めることができた”と思う項目」などの、担当者が考える成功と失敗についての調査結果は、下記から無料ダウンロードできますので是非ご覧になっていただければと思います。
Q8.あなたがお勤めの企業のコンテンツマーケティングで、もっとも獲得(CV)につながったコンテンツの種類を教えてください。
Q9.あなたがお勤めの企業のコンテンツマーケティング運用で、これができればもっと成果を早めることができるという項目を、3つまで選んでください。
重要なことは良質なコンテンツをコンスタントに配信
コンテンツマーケティングを継続していくうえで重要なのは成果を上げ続けること。
そのためには目的に応じて初期段階での企画や戦略設計をしっかり行い、コンテンツに落とし込むことが大切です。
どれほどの期間と予算設定で成果を追っていくか。この調査資料を参考にしてみてはいかがでしょうか。